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週末読みたい本『旅とデザイン』
こんにちは、箱庭編集部 moです。
みなさん旅に出るとき、何がきっかけで、どのように旅の目的地を決めていますか?人づてに聞いたり、テレビで見たりといろいろ情報源はあると思いますが、ふと目を止めてみたくなる広告やウェブサイトに出会い、そこから旅先を決めたこともきっとあるはず。
今回はそんな旅にまつわるデザインをまとめた1冊『旅とデザイン』をご紹介したいと思います。
旅へと誘うデザイン
本書は、良質な旅や観光を提案し、土地や移動の魅力を引き出しているデザイン事例を収録しています。なかでも、旅のスタイルや、旅から得られる体験の豊かさに価値を置き、存在感のあるビジュアルで誘う取り組みを中心に紹介されています。
訪ねる、乗る、体験する、泊まる、とテーマごとにどんなデザインのアプローチをしているのでしょうか?ピックアップして内容をご紹介したいと思います。
訪ねる「地域」のデザイン
鳥取県にある、海と山と温泉のまち「岩美町」のウェブサイトとポスター。ロケにあたって初めて訪れたという写真家、アートディレクター、コピーライターによるデザインで、ファーストインプレッションを大事に、心が動いたときに撮影が行われたそう。旅人と同じ視点で切り取られた風景に、「しまっておいた日本がある。」など心揺さぶられるコピー。ここは一体どこなんだろう?と思わず立ち止まり、気になってしまうデザインです。
乗る「移動」のデザイン
名古屋鉄道のイメージアップと利用の促進を目的とした広告。利用者が電車に乗って公園や緑地等、沿線各地の桜の名所に出かけるきっかけとなるような広告表現を目指したそうで、ビジュアルの下にはそれぞれの桜の名所が何駅から降りて徒歩何分、といった情報も掲載されています。こんな風景が電車を使って見に行けるのなら行ってみようかな!と思わず感じてしまいます。
体験する「目的」のデザイン
天理市ブランディングプロジェクト「めぐみ めぐる てんり」の一環として開催されたトレッキングツアー“Field trip in Tenri”のフライヤー。イラストを多用することで目を引きやすく、イベントの季節感や統一感を出し、また1日の工程をよりわかりやすくしているそう。確かにパッとみただけで1日何をするのか分かりやすく、“湧き水を飲んでリフレッシュ”や“名物・無人販売所へ”など、トレッキング中でも次の場所へ行くのが楽しみになるような工夫があるデザインだと感じました。
泊まる「滞在」のデザイン
箱根仙石原の名宿・俵石閣のリブランド・リニューアルオープンに際して手がけられたオフィシャルサイト。国立公園の特別地域として保護された壮大なスケールの自然を巧みに取り込んで、「箱根に“巣まう”という豊かさ」を最大限感じさせる工夫が凝らされています。
シンプルなレイアウトながら贅沢な空間・時間を感じるビジュアルを使用しており、部屋や食事のあらゆるものが洗練された印象を受け、この宿の魅力を全面に引き出しているデザインだと感じました。
ちなみに「泊まる」のテーマで掲載されている「星野リゾート ロテルド比叡」オフィシャルサイトのデザインは、箱庭を運営しているRIDE MEDIA&DESIGNが携わっています!
滞在のイメージを掻立てるような雑誌を意識したレイアウトで、季節ごとに自動にテーマカラーが変わる仕掛けになっています。是非実際のウェブサイトでデザインを見てみてくださいね。
いかがでしたか?普段何気なく心惹かれていたポスターやウェブサイトでも、いろんなアイデアや細かな仕掛けでデザインされているんだなぁ〜と改めて感じる1冊でした。
旅とデザイン – DESIGNS FOR TRAVEL
定価:本体4,000円+税
仕様:A4判変型/176ページ
発売日:2018年05月24日
発行:ビー・エヌ・エヌ新社
編集:ビー・エヌ・エヌ編集部
デザイン:市東 基(Sitoh inc.)
ISBN:978-4-8025-1098-1