ヨキカナカタカナ
こんにちは、箱庭編集部 moです。
今日はデザイナー・クリエーターの方にはもちろん、文字好きのみなさんやレトロなものがお好きのみなさんにおすすめの1冊『まちの文字図鑑 ヨキカナカタカナ』をご紹介します。

ハイカラなものを表す楽しきカタカナ!

本書は、「トーストのト」「カレーのカ」など、戦後のまちにあふれた、写植の書体やデジタルフォント出現以前の屋外広告をタイポグラフィとして見直しアーカイブした1冊。看板職人や、ネオン職人、書体デザイナーのハイカラでオシャレなカタカナ、全国の個性あふれる約470のカタカナを、1文字ずつ取り出してみると初めて気づくことがいろいろ!普段何気なく見ていた看板の文字も、集められたひとつひとつを見るととてもユニークで興味深いものばかりです。早速内容をご紹介します!

めくるだけで楽しめるカタカナの文字図鑑!

ヨキカナカタカナ
文字図鑑というだけあり、“ア”〜“ン”までの文字があらゆる看板から集められ、アーカイブされています。ちなみにこちらは“オ”。同じひと文字のカタカナなのにこんなに個性豊かなのがおもしろいです!

ヨキカナカタカナ
次のページをめくると、文字を抜き出した看板の全体像、文字を見つけた場所が載っています。看板全体を見ると一文字だけでは気づかなかったのに「確かに喫茶店っぽい文字!」とジャンルによる個性の違いを楽しめたり、「え!これオリンピアのオだったの!」など知っている看板の文字を発見したりと、まちにあふれる看板文字のおもしろさにどんどんハマってしまいます。

ヨキカナカタカナ
こちらは“ニ”のページ。ふたつの平行した横棒しかない単純明快なカタカナですが、こんなに個性があるなんて…!これは何屋さんの“ニ”だろう?と予想しながら見るのもおもしろいですよ。どの看板から抜き出した文字かはぜひ実際の本で確かめてみてくださいね〜!

制作現場の取材やコラムも必見。

本書は文字のアーカイブだけでなく、文字を実際に製作する看板職人の方々を訪れた取材記事や、「回転カタカナの世界」「串刺しパの世界」など不思議なカタカナのもじコラムも読み応えのある内容となっています。

ヨキカナカタカナ
こちらはネオン文字製作の現場を取材した記事。ネオンのしくみから、通称「曲げ屋」の仕事、ネオン管が光るまでと、製作現場でのあれこれが掲載されています。今までネオン看板がどうできるのか考えたこともなかったので今の時代でもアナログな職人技でひとつひとつ作られている現場を知り、とても興味深くおもしろい内容でした!

ヨキカナカタカナ
こちらはもじコラム「回転カタカナの世界」のページ。いままで単なる装飾だと思い込んでいたものが文字、主にいくつかのカタカナで構成されていることに気づき、それらを勝手に「回転カタカナ」と呼んでいるそう。確かに、このような社章やマークは見たことありましたが、カタカナで出来ていたなんて気づきませんでした!仕掛け文字みたいで面白いです。今度このような社章やマークを見つけたらカタカナが潜んでいないかチェックしちゃいましょ〜!

ヨキカナカタカナを楽しもう!

この他にも、まちの看板に溢れるユニークで個性的な良きカタカナがたくさん掲載されています!本書をよめばきっと看板文字が気になって仕方なくなりますよ〜!ぜひ夏のお出かけの前に読んで、自分のまちや旅行先の看板を観察してみては?

    まちの文字図鑑 ヨキカナカタカナ


    出版社:大福書林 (2018/1/10)
    写真・文:松村大輔
    価格:定価 2,000円+税
    仕様:224ページ A5判ソフトカバー フルカラー
    ISBN-10: 4908465061
    ISBN-13: 978-4908465062