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130年の歴史を持つドイツ老舗企業が、ものづくり精神を込めてつくった東京・渋谷のカフェ『café 1886 at Bosch』
箱庭編集部が渋谷に行くとよく利用する、とっておきのカフェ『café 1886 at Bosch』をご紹介します。
渋谷駅から徒歩5分。比較的オフィスが多い渋谷警察署側の六本木通りにあるので、渋谷にはよく行くけれど知らなかった…!という方もいるかもしれません。コーヒーはもちろん、食事もおいしいく、Wifiも完備、電源が使える席もあり、窓からは緑が見れて、渋谷という場所にありながらゆったりと落ち着く空間で、イチオシのカフェなんです。
箱庭ではワークショップ開催場所としてもおなじみの場所ですが、カフェは今月3周年を迎えました!おめでとうございます。
今回あらためてカフェの方にお話を伺ったところ、利用している私たちも知らなかったこだわりポイントがたくさんあり、想いのたくさん詰まったカフェだったので、その想いと共にご紹介します。
ボッシュの認知拡大プロジェクトから誕生したカフェ
『café 1886 at Bosch』を運営するのは、ボッシュ株式会社です。ボッシュは、1886年ドイツに誕生した130年の歴史を持つ企業。日本でも上陸してから100年以上の歴史がありますが、ご存知でしたか?日本では、車のパーツやDIYなどの電動工具が有名です。
『café 1886 at Bosch』の場所も、実はボッシュ・ジャパン本社1階のエントランスホールなんです。
カフェ誕生のきっかけは、ボッシュという会社の認知拡大のためのプロジェクト。当時の企画を考えられた方がドイツ本国にあるボッシュの歴史博物館でひらめいたのだとか。
たしかにこの雰囲気、じっくりコーヒーを飲みながら落ち着きたくなりますよね~。
「歴史資料館の雰囲気を渋谷の本社に持ち込んだら、ボッシュの歴史やドイツの雰囲気を伝えられる。」そんな風に考え、もともと普通のエントランスだった場所をカフェに変えるプロジェクトがはじまりました。
そこで集まってもらったのが、商業施設の建築・デザインで活躍する注目の建築家 窪田茂さんと植松慶一郎さん、世界の料理を知る肉の巨匠 和知徹さん、おいしいコーヒーにこだわるTORIBA COFFEEさんといった、各分野の一線で活躍するプロフェッショナルです。
人々が集まり続ける空間を創るためには、ディテールへの作り込みが最重要
天井も高く、窓からは緑が見え、木を基調とした居心地の良いカフェという印象がはじめて訪れた時からありましたが、実はじっくり見ていくとかなり細かなディテールまでこだわりが詰め込まれています。
たとえばカフェ店内に置かれている、ワークショップでよく利用する長机。テーブルの天板裏に電源が付いていて、とても便利だなーと感じていましたが、脚は万力が着いたようなデザインになっています。(今回、私たちもはじめて知りました!!)
昔のボッシュが運営していた作業場のレプリカにあった作業台からインスパイアされたものなんだそう。こんな場所にサラッと万力を使うあたり、さすがものづくりを続けてきたボッシュならではですね。カフェの脚までじっくり見る…なんて機会はあまりないかもしれませんが、ぜひ一度見てもらいたいポイントです。
他にも、カフェに入ってまず目に入ってくる存在感のあるカウンターは、古木を積み重ねたデザイン。
内装を担当した植松さんはこう話します。
「ボッシュさんから“オーセンティック(本物)”というキーワードをもらっていたのもあって、とにかく本物にこだわってデザインしました。実際、あのカウンターがあるからこそ、空間的な締まりが出ていると思います。
僕思うんですけど、ディテールって、見るというより感じるものだなって。その空間に入ったときに何となくよくできているなと思うものって、多分ディテールがちゃんとできているんですよ。」
開放的な空間に、大人な落ち着いた雰囲気がプラスされているのは、こういう重厚な木のカウンターがあるからだったんだなと気づかされます。そして、上質な空間にここまでこだわったのは、130年以上ものづくりを続けてきたボッシュの想いを宿したからだったんですね。
昔の製品や広告も展示されていますが、あくまでも歴史を前面に見せるのではなく、ボッシュの歴史とボッシュのものづくり精神を象徴し、肌で感じるような空間になっています。
誰にでも「ここは居心地良いな~」と感じる場面があると思いますが、ディテールまで本物にこだわってデザインされたからこそ生まれるものなんです。
ドイツのパンをリスペクトしたうえで、日本のパン職人と開発した「グルメサンドウィッチ」
看板メニューは、「グルメサンドウィッチ」。肉シェフとして知られる銀座の名店「マルディ・グラ」のオーナーシェフ、和知徹さんが自分のお店以外ではじめてメニュー監修しました。
あえて個性的でインスタ映えを狙ったようなサンドウィッチをつくるのではなく、親しみのある具材をきちんと選定した素材で、新しい定番を提案するようなサンドウィッチこそが、求められているサンドウィッチだと和知さんは考えたそうです。
ボッシュ本社があるドイツのパンといえば、ずっしりしていて、独自の酸味があり、噛み応えのあるライ麦入りの黒パン。一方、日本人はやわらかめで甘みのあるパンを好むことが多いそう。ドイツの伝統を大事にしつつ、現代の日本を生きている人たちに受け入れられるサンドウィッチを創ろうと考えた和知さんは、日本のパン職人と一緒に、ドイツのパンをリスペクトしたうえで、パンづくりの研究・開発からスタートしました。
具材によってサンドウィッチに使用するパンも、白パン、フォカッチャ、黒パンなど使い分けています。私たち編集部はよくランチで利用するので、これまでも数種類のメニューをいただいてますが、どれもこれも本当においしいんです!種類によって味わいが全く異なり、何度利用しても新鮮に食べられるのも利用者としては嬉しいポイントです。
3周年を記念し、新しいメニュー追加やオープン当初あった人気メニューが復活するなど、メニューも一新されました。
しっかりと燻製したソーセージ「オーバークライナー」とマッシュポテトをライ麦パンでサンドした『SLAVA』や、ビーガンの方もOKな7種類の野菜を使ったサンドウィッチ『BORDEN』など、具材も様々。
和知シェフオリジナルのパストラミビーフを使用したサンドウィッチも、3周年を記念して新しくメニューに追加されました。見てください、このボリューム!ちょっぴりスパイシーなやわらかお肉に、このパンがめちゃくちゃ合います。ペロリと食べられちゃう一品です。
スイーツやドリンクも。メニューすべてがおいしい『café 1886 at Bosch』
これまでのこだわりを読んで想像がつくかもしれませんが、コーヒーはもちろん、その他のドリンクやスイーツ、ビールなどのアルコールもすべておいしいのが『café 1886 at Bosch』です。おやつ時間や軽く飲んで帰りたい気分の時にもぜひ利用していただきたいです。
ちょっと面白い、こんなメニューもあります。
世界最古の「ミード」という蜂蜜酒をベースに、フルーツをたっぷり加えたサングリア仕立てのオリジナルカクテル「Ewigkeit (エービッヒカイト)」。Ewigkeitとは、ドイツ語で『無限大、永遠』という意味があり、130年続く歴史あるボッシュをイメージし、これからもみなさんに長く愛されるカフェとなるようにという想いがこめられています。そしてこのカクテル、電動工具IXOを使用し、削りたてフランボワーズを振りかけて仕上げます。ボッシュならではの演出です。
ボッシュの知名度を広げるためにはじまったカフェではありますが、ものづくりの精神を宿した結果、居心地の良さや美味しさを提供し、みんなの憩いの場となったカフェ『café 1886 at Bosch』。ぜひ一度訪れてみてほしいです。
公式サイトでは、カフェプロデュースに関わったクリエイターたちのオリジナルインタビューも公開されているので、気になる方はこちらもチェックしてみてくださいね。
café 1886 at Bosch
住所:〒150-8360 東京都渋谷区渋谷3-6-7
TEL:03-6427-3207
WEB:https://www.bosch-cafe.jp/index.html
クリエイターオリジナルインタビュー記事はこちら:https://www.bosch-cafe.jp/stories/index.html
instagram:https://www.instagram.com/cafe1886_at_bosch/
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