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観葉植物店の奥に佇む、食の喜びと楽しさを実感できるレストラン。武蔵小山「WINE&BISTRO Eme(エメ)」
箱庭編集部のみさきです。
今日ご紹介するのは、2018年5月16日に武蔵小山にオープンした「WINE&BISTRO Eme(エメ)」。フランスの郷土料理をベースにした、素朴で美味しいお料理を気軽に楽しめるお店です。
Emeは、長い商店街があることでお馴染みですが、再開発で町の様子が少しずつ変わりつつある武蔵小山の駅から歩いて2分。さまざまな観葉植物を扱うお店・TRANSHIPの店内を奥に進んでいったところにあります。
観葉植物の緑溢れる店内を抜けると現れるレストランって、珍しいと思いませんか?実際に行ってみても、店頭にある看板を頼りに通路を進んでいくワクワク感が想像以上に素敵でした!
シェフの道を志し、挑戦をし続けてきたオーナーシェフ・武藤恭通さん
今回お話を伺ったのは、お店のオーナーシェフ・武藤恭通(むとうやすゆき)さんです。幼い頃から経営や海外で働くことに興味があったという武藤さんは、高校生の時に職人を志すようになります。そして卒業後の進路で選んだのは、“食の職人”の道でした。
「食べることは一番身近な幸せや喜びですし、食の技術は日本だけでなく世界で共通するものだと思い、シェフになろうと思ったんです」。そう話す武藤さんは、これまでにフランス各地の町やニュージーランド、台湾などさまざまな国で料理の知識や経験を培うだけでなく、ワインソムリエの資格の取得や、パティスリーの経験もしてきたんだとか。
興味を持ったことは実際に体感することを大切に、常に色んなことに挑戦してきたという武藤さん。どれも本気で取り組んできたからこそ、喜びや楽しさがある反面、勿論苦しさもあったようですが、こうして得た経験や知識がお店にたっぷり活かされています。
みんなの好きなもの、大切なものが集まって形になっていくお店
お店の名前に使われている“Eme”という単語は、フランス語で「愛する」、「大切にする」という意味の他動詞の原形です。フランス語は前後の単語によって動詞の活用が変わるそうで、“Eme”という名前には、武藤さんだけでなく、スタッフやお客さんをはじめお店に関わるみんなの好きなもの、大切なものが合わさることで形になっていくお店にしたいという想いがこめられています。
武藤さんは約18年間各地で修行をつみながら、自分が独立した時のお店の構想をメモしつづけてきたそうで、レストランに留まらず、食卓周りでライフスタイルの豊かさを広げていけるようなお店づくりのためのアイデアをたくさん考えてきました。
「お花やグリーンは食卓にあるだけで心が豊かになるんじゃないか、という想いがずっとあって、自分のお店を開く時はお花屋さんが入り口にあるところがいいなぁという構想はずっとあったんです」。
現在お店があるスペースは、もともとお店の入り口にあるグリーンショップの事務所や倉庫だったそう!足掛け4年探してようやく巡り会えたそのスペースを、武藤さんはゼロから今の空間に作り上げました。
木のぬくもりを感じる落ち着いた店内には、アンティーク家具が置かれていたり、武藤さんがこれまでに集めた食器や雑貨が飾られているスペースがあったり、ヨーロッパのアンティークショップにいるかのような気分になります。
そして店内では、「おうちでも食卓が豊かになるものを」という想いから、武藤さんがこれまでに出会った調味料の販売も行われています。大量生産ではなく、手仕事や想いがあって作られた本当に良い物を大事にしたいという武藤さんによるセレクトは、気になる物ばかり!今後商品数を増やしていく予定だそうで、どんな商品が並ぶのか要注目です!
フランスの古典料理をベースにした、素朴で美味しいお料理の数々
Emeのお料理は、フランス料理の教科書に載っているような古典的なメニューをベースに、エッセンスとして武藤さんがこれまで触れてきた色んな国の素材や料理の要素、そして現代の技術や感性がとりいれられています。
お料理について、一貫して大切にしているのは、素材が活きるようにすること。楽しくおしゃべりしながら美味しいお酒や食べ物も楽しめるよう、あまり料理の構成を複雑にしないように心がけているそうです。
タパスの盛り合わせ
かわいらしい見た目に気分があがるタパスの盛り合わせは、お野菜中心で、その日によってメニューが違います。この日はブランダードと呼ばれるタラとジャガイモを煮たフランスのお惣菜の定番や、マグロと野菜の南仏マリネ、フルーツの白和え、ビーツをマヨネーズで和えたサラダの4種類。
ブランダードには普段あまり食べる機会がないイタリア野菜のカステルフランコ(同じくイタリアの野菜・トレビスの斑点バージョンだそう!)が添えられていたり、豆腐の白和えに旬のフルーツを和えていたり、会話も弾むわくわくするラインナップです!
ガルビュール
白いんげん豆をはじめとした野菜と生ハムをじっくりコトコト煮込んだガルビュールは、お店の特におすすめしたいメニューの一つです。南仏の山あいで作られている郷土料理だそうで、肉の油や野菜の旨味がたっぷり溶け込んだスープは、素朴でほっとする美味しさが特徴。食べているとなんだか懐しい気分になる、優しいスープでした!
ちなみにガルビュールに使われているお皿は、毎年開催されるガルビュールの大会のお皿だそう。毎年絵柄が違って可愛かったので、食べたあとに見えてくる絵柄にもぜひ注目してみてくださいね。
NZワカヌイ産 乳飲仔羊のロースト
ニュージーランド・ワカヌイの母乳のみで育った仔羊は、肉質が柔らかくミルキーなお味が特徴。羊特有の臭みがまったく無く、とっても美味しくてあっという間に食べてしまいます!一緒に添えられているのは、農家さんから届いた旬の野菜とタスマニアのマスタード。塩こしょうで味付けしたままのお肉の、肉そのものの美味しさを堪能したあとは、マスタードをつけて楽しむのもおすすめです。
お食事のメニューはまだオープンして間もないということで、しばらくは固定のメニューと、その日のおすすめメニュー数種というラインナップでやっていくそうですが、今後はその時だからこそ楽しめる、旬の食材を使ったメニューがより増える予定だそうですよ!
お料理と一緒に、ワインを中心に幅広く用意されたドリンクのメニューを楽しむこともお忘れなく!ワインセラーが近くにあるカウンタ―席では、ワインソムリエでもある武藤さんと一緒にワイン選びも可能です。その他にも白ワインをベースに、バラやラベンダーなどのハーブの香りを移したハーブワインや台湾烏龍茶など、気になるドリンクがたくさんありましたよ~。
今後もEmeがスタッフやお客さんの居心地のいい場所、ここに行ったらいいものに出会えるなぁと思ってもらえるような場所になることを目指していきたいという武藤さん。レストランという枠にとらわれず、店内で食べるお料理は勿論、調味料や食材の販売や生産者の方を呼んだワークショップなどにも徐々に力を入れていき、またお店の外での活動も積極的にしていく予定だそうで、目が離せません!
今回ご紹介したのはディナーメニューですが、ランチにはショートコースやワンプレートメニューもあります。大切な人とゆったりおしゃべりと美味しい食事を楽しみたいなぁなんて時に、ぜひ足を運んでみてくださいね。
WINE&BISTRO Eme(エメ)
住所:東京都品川区小山3-11-2-1F
TEL:03-5751-7636
営業時間:11:30~23:00
定休日:月曜日
URL:https://www.instagram.com/eme_table/