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入場料のある本屋「文喫」が六本木に誕生!本と出会うための時間と空間を提供する、新しい本屋のかたち。
箱庭キュレーターのKIMIです。
2018年12月11日(火)、とても馴染みのある場所に、「文喫(ぶんきつ)」と言う本屋がオープンしました。
ここは、惜しまれつつも今年6月に38年の幕を閉じた青山ブックセンター六本木店の跡地。
(青山ブックセンターの看板の跡がうっすら残っているのが、歴史を感じてグッとくる。)
あれ?また本屋ができたの?と思うでしょう。
いえいえ「文喫」は、ただの本屋ではありません。なんと“入場料がある本屋”なのです!
えーーーーー!っと、驚きの声が聞こえてきそうですが、今回は、そんな驚きの本屋「文喫」をじっくり紹介していきたいと思います。
3万冊の中から意中の一冊と出会うための時間を提供する、これまでにない新しい本屋。
「文喫」は、六本木の土地にマッチしたアート、デザイン、ビジネスを中心に、食、人文科学や自然科学、文学、他にも雑誌、コミックなどが揃っています。1日中本に浸って、意中の1冊に出会うための時間を提供してくれる場所です。
運営するのは「リブロ」や「オリオン書房」といった書店を展開している株式会社リブロプラス。また、ブックディレクションを「箱根本箱」などを手掛ける日本出版販売株式会社のYOURS BOOK STORE、インテリアデザインなどクリエイティブ全般を「Soup Stock Tokyo」 や「PASS THE BATON」を運営する株式会社スマイルズが担当しています。
「文喫」という名前は、スマイルズの遠山正道さんが名付け親。「これからどういうことをしたら本屋は楽しいんだろう?」というお題を、日販の方々、森岡書店・森岡督行さん、遠山正道さんで語り合っている時にこのネーミングが誕生したんだとか。名前を聞いた瞬間、森岡さんは『これは何かが立ち上がった!始まった!』と感じたそう。
ここにある本は、全部で3万冊。なんと1冊として同じものがないんですって!一見、図書館みたいだと感じるかもしれませんが、図書館と違って気に入った本があれば、もちろんその場で購入できるのが嬉しいポイントです。
約90種類の雑誌が勢ぞろい!本の世界に入り込みたくなるエントランスフロア
先ほど、えーーーってなった皆さん。ご安心ください。
エントランスのこちらの雑誌スペースは、誰でも利用できる場所になっています。
約90種類の雑誌がランダムに並んでいるのですが、よく見かける物から、マニアックな専門雑誌もあって興味をそそります。
以前、箱庭でも紹介したことのあるオーストラリアのファッションカルチャー雑誌frankie magazineを発見しました!黄色い表紙がカワイイ!このスペース、ただ雑誌が並べられている棚かと思いきや、
コレ、開くんです。しかも、バックナンバーでも入っているのかなーって思ったら、
黄色い本がズラリ!なんという嬉しい裏切り(笑)。黄色縛りでセレクトされているなんて、こんな粋なことされたら思わず手に取りたくなりますよね。
入り口すぐには、企画展示を定期的に行うスペースもあり、現在は、10年ぶりに復刊する雑誌『hinism(ヒニスム)』を特集した「雑誌の力展」が開催中です。(1月31日まで)
階段を上ると広がる有料スペースへ。
さて、入場料が発生するのは、階段を上ったこの先の2階スペース。
入場料を支払うと、番号がついたバッチがもらえます(当日限り有効)。このバッチの裏には、wifiのパスワードが書いてありました。電源・wifiがあるのは嬉しいですね!
本とどっぷり向き合うのに最適なこちらの「閲覧室」は、全部で12席。
その他にも、グループでも利用できる「研究室」、会話も食事も楽しめる「喫茶室」など、席数は全部で90席あります。1人1人の滞在時間を豊かにしてもらいたいと、入場制限がされる場合もあるそうですが、それもお客さんが快適に過ごせるようにするため。
本との偶然の出会いを楽しんでほしい!と考えられた陳列方法。
1冊として同じ本がないので、このランダムに重ねられた本の下には、サイズもバラバラで、全く違う本が重なっていて、なんとなく気になるものと偶然出会えます。
売れ筋だから表にあるのではなく、こんな本があったんだと気づいてもらうのが狙いだったり、とことん本と向き合ってもらいたいからと、ついつい欲しくなる雑貨などを置かないようにしたり、手に取れる高さの本棚になっているところも憎い演出ですね。
そして、たまらなく可愛くて目を引いたのは「文喫」のテーマカラーのこの淡いピンク。通称『初恋ピンク』と言われていて、本に恋をしよう!というコンセプトなのだそう。いたるところに使われているのですが、床まで初恋ピンク色でキュンとしちゃいました。
珈琲と煎茶がおかわり自由!豊富な食事メニューも魅力的。
文喫のBのロゴがかわいいドリンクカップ。嬉しいことに珈琲と煎茶はおかわり自由なんです。
無料のドリンク以外にも、食事からデザートまで様々なメニューが揃っています。
看板メニューの牛ほほ肉のハヤシライスは見るからに美味しそう!
サラダやデザートも数種類あり、本を読みながら頂くことが出来ます(「選書室」のみ、飲食NG)。営業時間が23時まであるので、実は、アルコールもあるんですよ。
「文喫」のオススメな過ごし方は?
(文喫六本木店、店長の伊藤晃さん)
店長の伊藤晃さんに「文喫」のオススメな過ごし方をお聞きすることが出来ました。
「文喫は、本と人と、1対1で向き合える時間と環境を提供できる場だと思います。
僕のオススメは、窓側の見える席に自分のキャパシティを超える本を積んでもらって、本を読んでいたらいつの間にか眠ってしまうほど、1日中文喫で、本と向き合って頂きたい。そして、本と恋に落ちて、あの階段(有料の入り口)がバージンロードになってもらえたらと思うんです。」
本と恋して結婚する。なんだか素敵な響きでウットリしちゃいますね。
(ギフト包装も用意されています。本と結婚する時には、ぜひ利用したいですね。)
『本と本屋をあきらめたくない。本を買うことが、日常ではなく非日常になってきている。検索とは違った本との出会い方。ゆっくりと過ごすことのできる空間作りや本の見立て方に工夫を施すことで、本屋の体験価値を拡充する場所を作りたい。』
そんな思いから、スタートした「文喫」。
検索して本を選ぶ時代に、偶発的な本との出会いが演出されていて、予期せぬ発見があったり、自分じゃなかなか探しにいかないものが偶然見つかったり。みなさんそれぞれの特別な時間を過ごせるはずです。ぜひ本とじっくり向き合って、本と恋に落ちる瞬間を味わって頂きたいと思います。
文喫(ぶんきつ)
住所:東京都港区六本木6-1-20六本木電気ビル1F
時間:9:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:不定休
入場料:1,500円(税抜)
URL:http://bunkitsu.jp