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世界の郷土菓子を巡り、その魅力を伝える菓子職人・林周作さんの「郷土菓子研究社」に注目!
箱庭編集部のみさきです。
今日お届けするのは、旅好きのみなさんなら必ず心惹かれる「郷土菓子研究社」。
代表の林周作さんはこれまでに30カ国以上をまわり、400種類をこえる郷土菓子研究をしてきた、旅する菓子職人です。現在は渋谷にある「Binowa Cafe」を拠点に、お店やオンラインショップでのお菓子の販売や、書籍の執筆、イベントなどを通じて日本で世界の郷土菓子の魅力を伝える活動をしています。
今回は林さんのこれまでの旅のお話や、Binowa Cafeでつくられるお菓子についてご紹介したいと思います。
活動をはじめたきっかけは、働いていたイタリア料理店で出会った郷土菓子
「当時働いていたイタリア料理店では、いろんなイタリア菓子に触れる機会がありました。おいしくて魅力的なのに、その価値があまり知られていないことはもったいないなぁと思ったことが、郷土菓子にまつわる活動をはじめたきっかけです」と、林さん。
当時林さんが乗っていた自転車がこちら。こんなにたくさんの荷物を乗せた自転車で、各国各地を巡っていたんです…!なかなか大変そうではありますが、郷土菓子研究にこめた情熱を感じられますよね。
林さんの郷土菓子をめぐる旅は今も続いていて、普段はカフェでお菓子を作り、忙しい合間をぬって世界各地を旅しています。
自転車旅を経て、林さんの活動拠点となる「Binowa Cafe」をオープン!
ユーラシア大陸を横断する自転車の旅が終わった翌年の2016年、林さんは現地で出会ったお菓子を日本でも食べられる場をつくるべく、東京・神宮前に「Binowa Cafe」をオープン。
帰国直後に高円寺で期間限定カフェをオープンし、その後、周囲からの反響を受け、地下鉄明治神宮前駅から徒歩5分の場所にお店を構えることになりました。
店内にはお菓子が常時10種類前後並んでいて、ドリンクと一緒に楽しめるほか、ギフト用のBOX入り菓子や林さんの著書、旅先で出会った器を購入することもできます。
この日はお店の定番ラインナップに加え、林さんがメキシコ帰りだったこともあり、メキシコのお菓子もいくつか並んでいましたよ~。
こんなにたくさんの種類の郷土菓子を食べられるお店は、日本で探してもここだけなのではないでしょうか!?普段はなかなか目にする機会がない珍しいお菓子を前に、どれを選ぼうか迷ってしまいます…!
現地で出会った“美味しさ”をそのまま再現した、こだわりのお菓子の数々
「世界各地の郷土菓子は、長年その地で暮らす方に愛されて続けてきたお菓子であるからこそ、シンプルかつ素朴であったり、お祭りで使われていたり。国や見た目、味が違っていても、郷土を誇りに思う魅力があります。」
そう話す林さんのお菓子作りのこだわりは、日本人向けの味に変えたりせずに、できるだけ現地で出会った美味しさをそのまま再現して作ること。
林さんの「この美味しさを広めたい!」という想いがつまったお菓子を一口食べると、まるでその国にトリップしたかのような気分になります。
日によってお店に並ぶお菓子の種類は異なるそうですが、いくつか定番のものをご紹介したいと思います!
まずはご存知の方も多い、フランスのボルドー地方の郷土菓子「カヌレ」。
オープン当初からある定番メニューで、林さんが何度も試行錯誤を重ねて作ったこだわりの一品です。外はカリッと、中はずっしりな食感と、ラム酒と焦がしバターの風味がたまらない美味しさです。
こちらは同じくフランスの、ブルターニュ地方にある「ガトーナンテ」。
ラム酒を加えたアーモンドケーキに、ラム酒と粉砂糖のみで作られたアイシングをしています。アルミの容器で焼き上げるのが現地スタイルだそうで、お店もそのスタイルを踏襲しています。上品な見た目とは裏腹に、ラム酒がたっぷり使われていて、そんなギャップも楽しいお菓子です。
スペイン南部、アンダルシア州が発祥の郷土菓子「ポルヴォロン」は、もともとはクリスマスに食べられていたそうですが、現在はスペイン全土で年中売られています。
ほろっと崩れる独特の食感が特徴で、そのくちどけの良さから、口に含んでクッキーが崩れてしまう前に「ポルヴォロン」と三回唱えることができれば幸せが訪れるんだとか!
どのお菓子も美味しそうで、定期的に通いたくなりますよね。お店に並ぶお菓子の情報はTwitterで更新しているそうなので、気になった方は要チェック!
店内には、ユーラシア大陸を横断した自転車と現地の人をおさめた写真の展示も!
また店内には、ユーラシア大陸を横断する時に乗っていた自転車と、林さんが旅先でおさめた写真の一部が展示されています。
林さんは、旅先で出会った郷土菓子と現地で出会った方の笑顔をこれまでに800枚近く撮影していて、いつかその写真を発表する展示を開くことが夢だそう。
どの写真もとっても素敵なので、お店を訪れた際はぜひチェックしてみてくださいね。
お菓子をモチーフに描いた、キュートなデザインのBOX入りお菓子も販売中!
日本にいながら世界を旅している気分になれる、林さんのつくるお菓子。気になるけどなかなかカフェに行く機会がない…という遠方の方に朗報です。
郷土菓子研究社のオンラインショップでは、カフェで販売されているお菓子の一部を購入できます!
お菓子の入ったBOXには、お菓子をモチーフにしたイラストが描かれていて、それがなんともいえない可愛さなんです。
例えばクルミ、粗糖、カルダモンを使ったフィリングを餃子のように生地で包んで焼き上げた、アゼルバイジャンの最も代表的な郷土菓子「シェチェルブラ」。一口かじった時に感じるナッツの食感やカルダモンの風味も描かれていて、かなり忠実なイラストです…!
(フランス北部のピカルディ地方の古都アミアン発祥の「マカロンダミアン」)
(フランス北西ブルターニュ地方ナントの「ガトーナンテ」)
ボックスの中にはお菓子の説明書きが入っているので、それを読めばお菓子をより一層楽しめます。自分用にはもちろん、旅好きの方や珍しい物が好きな方への手土産にもぴったりですよね!
これからも世界中を旅して郷土菓子研究を続けたいと話す林さん。2019年は6回旅に出ることを目標に掲げていて、今後のお菓子のラインナップにも注目です!
また郷土菓子研究社のサイトでは、お菓子の販売だけでなく林さんの旅の様子を写真やレポートで公開中なので、郷土菓子についてもっと知りたい!と思った方はそちらもぜひチェックしてみてくださいね。
郷土菓子研究社
URL:https://www.kyodogashi-kenkyusha.com/
Twitter:https://twitter.com/kyodogashi
Binowa Cafe
住所:東京都渋谷区神宮前6-24-2 原宿芳村ビル2F
定休日:月4日(不定休)
営業時間:平日14時~20時 土日祝12時~18時
電話番号:03-6450-5369