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週末読みたい本『石の辞典』
こんにちは、箱庭キュレーターのカナコです。
小さい頃、下校途中に石を拾い集めながら帰るというのは、誰でも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
今日は、そんな体験から石の魅力にハマり、今もなお収集されている、矢作ちはるさんが手がけた『石の辞典』をご紹介します。
ページをめくるたびに美しい石の物語に出会える1冊
「辞典」といえば、あるものを名前順や種類別に掲載するのが一般的ではないでしょうか。
興味深いことに、『石の辞典』では石が硬さ順に並んでいるんです。指標とされているのは「モース硬度」。
難しそうな言葉ですが、硬さの違うもの(例えば、爪、カッター、ガラスなど)で石を引っかき、傷がつくかどうかで硬さを決めるものなんだそう。
本書では、モース硬度を元に、柔らかいものからページを追うごとに、段々と硬いものへグラデーションになるようまとめられています。
それぞれの石がどんな感触なのか、想像しながら読んでみましょう。
1つの石は見開き1ページで紹介されています。世界中から、全部で115もの石が取り上げられているんです。
内田有美さんによるイラストは、優しさと写真のようなリアルさを兼ね備えた、とっても魅力的なもの。こんなに美しい石があるのか、と眺めているだけでも楽しめますよ。
左側には各石の特徴が分かりやすくまとめられており、しっかり学ぶこともできるのが特徴です。
こちらは「童話に登場する宮沢賢治が愛した石」と評された、アマゾナイト。
各石に付けられたキャッチコピーは、あたたかみのある素敵なものばかり。どんな石なんだろう、と想像力を掻き立ててくれます。
まるでマスカットのようなコロンとしたフォルムがかわいいこちらは、プレーナイト。日本語ではぶどう石と呼ばれているそう。
原産国は、カナダやドイツ、ポルトガル。実物を見てみたい!といろいろな場所への旅行欲を掻き立ててくれるのもこの本の魅力です。
本の最後に掲載されている、索引も色別に表現されていてとても素敵なんです。
このページだけでもずっと眺めていられますよね。
索引を見ながら、これは何の石だろう?と本編に戻る、という石のビジュアルに注目した読み方もできますよ。
石をもっと楽しむためのコラムも満載!
石好きの方も、あまり詳しくない方も、もっと深く石について知れるよう、様々なコラムも充実しています。
例えば、こちらでは石を構成する結晶をご紹介。顕微鏡でしか確認できないものから肉眼で見えるものまで、様々な大きさ、形のものがあるんだとか。自然の神秘を感じられますね。
鉱物の和名にフォーカスしたコラムもありますよ。「桜石(サクライシ)」「温泉華(オンセンカ)」「雪花黒曜石(セッカコクヨウセキ)」など、響きも漢字も綺麗な言葉ばかりです。先ほどご紹介した「ぶどう石」もラインナップ。自然界の情景や動植物、色彩などをモチーフに先人たちが付けた名前から、どんな石なのか想像してみるのも楽しいかもしれません!
『石の辞典』は自分用にはもちろん、装丁が丁寧でサイズがコンパクトなので、プレゼントにもぴったり。
石が好きな方も、初心者の方もお手に取りやすい一冊です。
気になった方はぜひチェックしてみてくださいね〜。
石の辞典
著:矢作ちはる
絵:内田有美
税込価格:1620
仕様:A6判/上製/4色/288p
ISBN:978-4-8441-3754-2
URL:http://www.raichosha.co.jp/book/photo/ph110.html