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箱庭キュレーターのYumieです。

瀬戸内の美しい島々がアートに染まる「瀬戸内国際芸術祭2019」がいよいよ開幕!
春会期がスタートしたということで、香川県へ行ってきました。

「瀬戸内国際芸術祭」は2010年から始まったアートイベントで、3年に1度開催され、2019年で4回目を迎えます。毎回新作が加わり、今年の新作は、なんと90以上!!
今回は女木島と屋島の新作、春会期限定の沙弥島の作品をご紹介します。

新作多数!人気の女木島「島の中の小さなお店」プロジェクトへ

まずは高松港からフェリーに乗船し、女木島へ。実は前回の2016年も女木島に来ている私。
前回の記事も、今回紹介していない作品についてふれているので、チェックしてみてください。)
まずは、ひとつの施設内に新作が8つも展開されているという「島の中の小さなお店」プロジェクトへ向かいます!

「島の中の小さなお店」プロジェクトは、「島の人たちにとっても便利である」ことをコンセプトにしているそうです。
作品は床屋、カフェ、卓球場、的屋など、ワクワクするものばかり!

Café de la Plage/カフェ・ドゥ・ラ・プラージュ(ヴェロニク・ジュマール)

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お店を目指し、海岸線を歩いていると、ミントグリーンの壁が映える、オシャレな1軒のカフェを発見。
中に入ってテーブルに触ってみると・・

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色が変わりました!!
カフェのテーブルは熱によって色が変わる仕組みで、壁やカウンターも同様に光によって色が変化するそうです。

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カフェの壁掛け時計には短針と長針がありません。

当たり前にあるものがない、起こるはずのないことが起こる。
”ちょっと変わったオシャレなビーチカフェ”では、そんな意外性を楽しみながら、時を忘れてゆっくり過ごすことができます。

ピンポン・シー(原 倫太郎 + 原 游)

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カフェの裏手に行くと、6つの新作が一度に体験・鑑賞できる建物があります。
建物は以前は海の家だったそうで、ピロティには、巨大卓球台やボールがバウンドする位置で音が変化する不思議な卓球台などが並び、誰でも自由に遊ぶことができます。

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こちらは4、5人が同時にプレイできる卓球台。
吹き抜けの下に置かれた卓球台は明るく、下は砂がしきつめられ、まるでビーチにいる気分です。

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卓球するときはこちらでお金を払います。
アートにとけこんだ番頭さんのお姿も、ノスタルジック!

的屋(長谷川 仁)

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1階奥には、「ひもくじ」など、昔なつかしい遊びができるコーナーも。
景品は、女木島の海岸で拾ったもので作られているそうです。

ランドリー(レアンドロ・エルリッヒ)

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こちらは日本でもファンの多い「レアンドロ・エルリッヒ」氏の新作です。
洗濯物が回る映像の後ろには、本物の洗濯機と乾燥機があり、非現実と現実を同じ空間で感じる「レアンドロ・エルリッヒ」氏独特の作風を体感することができます。

世界はどうしてこんなに美しいんだ(山下 麻衣 + 小林 直人)

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女木島の美しい景観を背に「世界はどうしてこんなに美しいんだ」の文字が浮かび上がる様子は、自転車に乗っている人の感情が言葉になって現れたようにも。
この文字は漕ぐとあらわれる仕組みになっていて、
夏会期には、この自転車を実際にレンタルして乗ることができるそうです!乗ってみたい〜。

un…こころのマッサージサロン(中里 繪魯洲)

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うす暗い室内でマッサージチェアにそっと座りハンドルを回すと、リラックスできる音が流れだす、体感型のアート。
椅子の先にある、水が貼られた鉢にも実は仕掛けがあり…目と耳で心が溶きほぐされていく作品です。

今年の女木島は「島の中の小さなお店」中心に体感できるアートがたくさん!
独特な世界をぜひ楽しんでみてください。

では次は屋島へ!

Suitcase in a Bottle(ラム・カツィール)

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高松港から車で約20分。「四国村」という野外博物館に展示されています。
池を漂うボトル。そのなかには取り出せないスーツケース。そこだけ切り取られてたような異空間の世界に、引き込まれます。

四国村では、秋に日米2つの大学による共同プロジェクトも展開するそうです。
秋会期も見逃せません!

それでは最後に沙弥島へ向かいます!

沙弥島は1967年に海が埋め立てられ陸続きになったそうです。
なので、船は使わず、瀬戸大橋記念公園を中心に、全アートを徒歩で回ることができます。
まずは以前から気になっていた、緑の丘を目指します!

陸層・地層・層(ターニャ・プレミンガー)

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瀬戸大橋記念公園内にある緑の丘は、高さ6メートル半あり、頂上からは瀬戸大橋を眺めることができます。
道はあみだくじのように枝分かれしていて、登り方は一つではなく、何通りも!
気ままに道をえらびながら、のんびり登ることができます。

八人九脚(藤本 修三)

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八人九脚は、実際に公園のベンチとして使用されているそうです。
カラフルな椅子が可愛い!瀬戸大橋を眺めるには絶好のスポットです!

そらあみ(五十嵐 靖晃)

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長さが60mにもおよぶ大きな作品は、与島地区5島の住民の方を中心にワークショップで編み上げたそうです。

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5色の漁網は見る角度で表情が変わり、海風にはためく様子を眺めるだけで、爽快な気分になります。
沙弥島での展示は春会期のみですが、秋会期では他の島でも同様に行われるので、ぜひ他の島でも「そらあみ」を探してみてくださいね!

スタンプラリーみたいで楽しい鑑賞パスポート

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作品鑑賞パスポートは、ひらくとスタンプが押せるようになっています。

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パスポートは子ども用もあり、家族みんなでスタンプをポンポン押すのも楽しそう!
春・夏・秋の3シーズン使えるのも嬉しいですね。

鑑賞は計画的に!

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まずは行きたい島を決めて、フェリーの時間を確認しておきましょう。
フェリーは土日など曜日によっては混み合うことがあるので、ギリギリの乗船は危険です。公式サイトに掲載される混雑予想カレンダーも参考しつつ、余裕をもって鑑賞しましょう。

1日にまわれるのは、車やバスで移動が必要な大きな島なら1島、小さい島なら2島ぐらいがオススメです。
船の乗り継ぎや、島へ渡ってからの移動が不安な方は、オフィシャルツアーを利用してもいいと思います。

夏会期は7/19(金)スタート!

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「瀬戸内国際芸術祭2019」は夏会期:7/19(金)〜8/25(日)、秋会期:9/28(土)〜11/4(月)とまだまだ続きます!
新作も続々と公開されるので、ぜひお気に入りのアートを探しに足を運んでみてください。

瀬戸内国際芸術祭2019

URL:http://setouchi-artfest.jp
Facebook:https://www.facebook.com/ArtSetouchi
Twitter:https://twitter.com/setouchi_art_jp
Instagram:https://www.instagram.com/artsetouchi

会期:(春)4/26〜5/26・(夏)7/19〜8/25・(秋)9/28〜11/4
個別鑑賞券:300円〜2,060円(作品によって異なります)
作品鑑賞パスポート(3シーズン):一般4,800円、16〜18歳3,000円(15歳以下は無料)
作品鑑賞パスポート(会期限定):一般4,000円、16〜18歳2,500円(15歳以下は無料)

<総合案内所>
総合インフォメーション:087-813-2244 7:00〜20:00(会期外は8:30〜17:30)
住所:760-0019 香川県高松市サンポート1番1号 高松港旅客ターミナルビル3F