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【最果ての地・知床の旅vol.1】ずっと繰り返されてきた自然のサイクルが昔からある場所。サスティナブルを感じる旅へ

【最果ての地・知床の旅vol.1】ずっと繰り返されてきた自然のサイクルが昔からある場所。サスティナブルを感じる旅へ

こんにちは、シオリです。
旅が大好きなhaconiwa編集部ですが、本格的な夏が始まる直前の6月の終わりに、また新たな場所へ旅してきました。その行き先は、北海道の知床です。

知床は、北海道の東部、道東と呼ばれるエリアの端っこに突き出る知床半島のあるエリア。知床半島は、知床国立公園として国によって固有の自然が守られているだけでなく、2005年に世界自然遺産にも登録されています。

半島の南東側は羅臼町ですが、私たちが訪れたのは北西側の斜里町。その中心地から車で40分ほどの場所、知床五湖があるウトロと呼ばれるところをメインに旅してきました。

知床五湖
最近のように「サスティナブル」という言葉が意識的に叫ばれるようになるずっと前から、森や海などの自然がもたらす豊かな恵みのサイクルがある知床。そんな場所での時間は、私たちが地球に住んでいるんだということを実感させてくれました。

今日から3回にわたって、そんな知床の旅をレポートしていきたいと思います。第一回目の今日は、そもそもなぜ私たちが知床を訪れることになったのか?というところから、知床、そして斜里町の魅力をお届けしましょう。

人々の心を掴む愛らしさ!知床のシンボルキャラクター「知床トコさん」

知床トコさん
私たちがなぜ知床を旅することになったのか?きっかけは、日々情報を収集するなかで見つけた、こちらのクマさんでした。リュックを背負って歩く姿が愛らしい、その名も「知床トコさん」です。

知床の自然を愛し、山々をトコトコとトレッキングするトコさん。好きな言葉は「one for all, all for one」。自然と人間の共存を願う、知床生まれの知床育ち。知床が世界有数のヒグマの生息地ということから産まれた、TROUTのデザイナー・せいさんによる知床のシンボルキャラクターです。

知床トコさん
(私がGETした知床トコさんグッズたち。)

地域のキャラクターというと“ゆるキャラ”をイメージしますが、トコさんは様々なグッズに展開され、その一つ一つがデザイン性の高いアイテムとなっているんです。「久米繊維」とコラボしたTシャツや、「KINTO」製のタンブラーなどもあり、デザインだけではなくクオリティにもこだわったアイテムばかりが揃っています。

KINTO 知床トコさん
(知床トコさんデザインのKINTO タンブラー)

トコさんグッズは、道の駅しゃり、うとろ・シリエトク、知床斜里町内のホテル等で購入可能。単なるおみやげではなく、かわいいから毎日使いたくなる。そんな魅力を持っています。だから、知床を飛び出して広告塔としても機能し、また新たな人々が知床に訪れるという素敵なサイクルを生み出しているんです。

天に続く道
トコさんは、知床の観光案内ガイドとして町のいたるところにも登場。ここ、「天に続く道」にもトコさんはいますよ。天に続く道は、斜里町にある全長約28.1キロメートルの直線道路の頂上からの景色。真っ直ぐな道がはるか遠くまで続き、あたかも天まで続いているように見えることから名付けられたそうです。広い空とどこまでもまっすぐの道を見ていると、清々しい気持ちになります。

天に続く道
ただ看板があるだけでしょ?と思う方もいるかもしれませんが、そこにトコさんがいるだけで、名所をトコさんが案内してくれているような気分になるんです。

知床トコさん
そのほか、地域の農業や漁業のブランディングともコラボするなど、観光で外から訪れた方々だけでなく、地元の方にも愛されているというトコさん。新しいグッズができると話題にもなるそう。みんなで共通して愛せるものがあることで地域も盛り上がるのは、素敵なことですよね。

価値観でつながる人々に“深く”届ける。知床のブランドブック「SHIRETOKO! SUSTAINABLE」

SHIRETOKO! SUSTAINABLE
もう一つ知床が行うプロジェクトで注目したいのが、写真家・石川直樹さんによる新しい、そして多様な知床のイメージを発信するブランドブック「SHIRETOKO! SUSTAINABLE」です。2017年から毎年一冊ずつ発刊されています。

SHIRETOKO! SUSTAINABLE
(SHIRETOKO! SUSTAINABLE vol.1 2017より)

従来の観光ガイドブックとは異なり、知床の魅力を“新鮮な視点”で切り取っているSHIRETOKO! SUSTAINABLE。ページをめくると、石川直樹さんの目線で捉えた、そこに暮らす人や自然の営みが感じられる写真が目に飛び込んできます。

SHIRETOKO! SUSTAINABLE
(SHIRETOKO! SUSTAINABLE vol.3 2019より)

もちろん、知床を表現する上では欠かせない、自然の風景も。美しいだけでなく、自然の中で暮らす生き物の息吹を感じる写真です。

SHIRETOKO! SUSTAINABLE
(SHIRETOKO! SUSTAINABLE vol.1 2017より)

風景や生き物だけでなく、知床で暮らす人々も数多く登場します。雄大な自然があるからこそ人々の暮らしがあり、人々が自然を大切に思うからこそ雄大な自然がある。SHIRETOKO! SUSTAINABLEを読んでいると、そんな知床の自然と人々が共に生きる様子が伝わってきます。

そんなサスティナブルに触れられる場所に価値を見出す人たちに向けて、知床の魅力を届けることができるSHIRETOKO! SUSTAINABLE。そのクオリティから書店で販売されたり、トコさんと共に、以前haconiwaでもレポートした台北のイベント「haveAnice」にも出展したりするなどの広がりもみせており、これまでにない、新しい地域ブランディングとも言える取り組みとなっているんです。

知床流氷珈琲
ちなみに、そのイベントでは、SHIRETOKO! SUSTAINABLEのオリジナルブレンドのコーヒー「知床流氷珈琲」が誕生しました。コーヒー豆は網走にある「はぜや珈琲」さん。トコさんと石川直樹さんの写真がコラボしたパッケージが素敵ですよね!

知床に魅力されて訪れた人々と、地元の人々が集まり、伝える。

写真ゼロ番地
ここで、SHIRETOKO! SUSTAINABLEと深く結び付いている、一つのプロジェクトをご紹介しましょう。2016年の春にスタートした、「写真ゼロ番地 知床」です。石川直樹さんと斜里町の写真好きの有志が、ワークショップや写真展などを通して新たな「知床」と出会うプロジェクトで、テーマは「知床を撮るのではなく、知床で撮る」。

ワークショップ

先ほどご紹介したSHIRETOKO! SUSTAINABLEに登場する写真たちは、まさに写真ゼロ番地の活動から生まれた写真。写真家である石川さんが単独で制作を行うのではなく、地域の方が一緒になって活動をしていく。そこに意味があり、だからこそ素晴らしい写真が生まれているのではないでしょうか。

シリエトクノート
ちなみに、その写真ゼロ番地のサポートも行い、斜里町へのアーティスト招聘企画「アーティスト・イン・シリエトク」の事務局となっているのが、斜里町発のリトルマガジン「シリエトクノート」の編集チーム。シリエトクとは、知床の語源のアイヌ語で「大地の突端」、転じて「地の果て」を意味するそう。シリエトクノートの取材テーマは、「知床・斜里町の衣食住・観光・自然」。地の果て・知床を有する斜里の街にある、隠れた文化や魅力を発信しています。

シリエトクノート
シリエトクノート第10号には、知床に魅了されたアーティストの一人である奈良美智さんが石川直樹さんと一緒に知床の旅に出たときのレポートが掲載されていますが、そのほかにも数々のアーティストたちが知床を訪れている様子が各号で綴られています。

知床に魅了され、その自然の美しさや人々の暮らしを守ろうとする心が集まり、それをまた周囲に伝えようとする人がいる。そうして人の輪を広げている知床。まだまだ広がるパワーを感じます。

新しい取り組みの背景にあるのは、開発から自然を守ってきた歴史。

100平方メートル運動ハウス
これまで紹介してきたように、他にはない取り組みをしている斜里町。地域として、こんな素敵な取り組みができるのは、なぜなんだろう?そう思っていた私たちですが、実際に訪れてみてわかることがありました。

知床は、一度開発によって森が伐採されてしまい、それを取り戻そうと立ち上がった歴史があったんです。1977年にスタートした「しれとこ100平方メートル運動」という、当時の町長によって発せられた運動。斜里町が全国に寄付を募り、森を取り戻すために開発されてしまった土地の買取を進めるというものでした。その運動は知床の外にも広がり、日本全国の知床の自然を愛するたくさんの人々が寄付が集まりました。今でいうクラウドファンディングのような、そんな取り組みが何十年も前から行われていたのです。

100平方メートル運動ハウス
その運動で寄付をした方の名前が刻まれているのが、「100平方メートル運動ハウス」です。日本全国、本当にたくさんの方の名前があり驚きましたが、この運動はまだ今も継続中。一度更地にされてしまうと、森になるまでには何十年もの年月が必要。段階を経て、今も森づくりが進められているんです。

そんな歴史を持ち、その精神が根付く知床。だからこそ、ただ大自然を楽しめる観光地としてではなく、未来へ繋げるサスティナブルな暮らし、取り組みを伝える場所として、日本中に、世界に発信できるのではないでしょうか。

トコさんが好きな言葉「one for all, all for one」を実感できる場所

知床五湖 鹿
私たちが知床へ訪れるきっかけになってくれたトコさんが好きな言葉「one for all, all for one」。実際に足を運び、豊かな自然に触れ、それを守る人々の心に接していると、私も知床に何か還元したい、そんな気持ちが湧いてきます。

私たちにできることは、そんな知床の魅力をhaconiwa 読者の皆さんにお届けすることです!でも、ただ観光地を回るだけの旅ではなく、自分の生きる地球にある自然の美しさと営みに触れる旅ができる場所だということを伝えたい。そう思い、今日は斜里町の様々な取り組みをご紹介させていただきました。

次回は、いよいよ知床を満喫する旅のレポートです!お楽しみに〜!

SHIRETOKO! SUSTAINABLE
WEB:https://www.shiretokohokkaido.com/
Instagram:https://www.instagram.com/shiretokohokkaido/

知床斜里町観光協会
https://www.shiretoko.asia/

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