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週末読みたい本『こけし図譜』

週末読みたい本『こけし図譜』

こんにちは。haconiwa編集部のcococoです。
本日ご紹介するのは、こけしの世界にどっぷり浸れる一冊『こけし図譜』です。

伝統こけしの特徴や歴史を、イラストレーションとともに分かりやすく紹介する一冊。

こけし図譜
伝統的な郷土玩具で、その愛らしい姿から自宅で飾ったり、収集したりする方も多い「こけし」。一言でこけしと言っても、作られる地域や形、絵柄などの違いで、様々な種類があるのをご存知でしょうか?『こけし図譜』は、そんなこけしに関するあれこれを、味のある素敵なイラストレーションとともに紹介する一冊です。

作者の佐々木一澄さんは、こけしに惹かれ、多くの工人の言葉やこけしに内包された物語を知ってもらいたいという思いから、この本を製作。こけしを作る工程や道具、こけしの姿、描彩など、様々な観点からこけしに迫るとともに、イラストレーターとしても活動する佐々木さんは、中身のイラストも手がけているんです。

もともと好きな方も、一から知りたい!という方も、こけしに関する知識をまとめて学ぶのにぴったりな一冊。今日は、その中身を少しだけ紹介したいと思います。

東北6 県、全11系統のこけしの特徴や歴史を、詳しく紹介。

そもそも“こけし”とは、東北6県で主に作られる、ろくろで挽かれた木の人形のこと。地域によって違い、全部で11系統もあるんだそうです。この本では、構造・形・描彩などの特徴から、どのようにして作られるようになったのかという歴史が系統ごとにわかりやすく書かれています。

こけし図譜
こちらは山形県で作られている「蔵王高湯系」。その顔立ちは、三日月型の目と、垂れた鼻が特徴。「手柄」と呼ばれる華やかな赤い放射状の飾りや、胴の華やかな模様が施されているのも、蔵王高湯系のポイントだそう。

こけし図譜
こちらは宮城県の「弥治郎系」のこけし。先ほどの蔵王高湯系と同じ「直胴」の形のほか、「ぺっけ」と呼ばれる裾が広がった形状もあるんだとか。ベレー帽のようなろくろ模様が可愛らしく、基本的な赤・緑・墨に加え、黄色や紫も使われていてカラフルなのも特徴です。

このように、作られる地域によって様々な特徴を持つ“こけし”。本書には、11系統が網羅されているので、他のいろんな系統のこけしを見比べながら知ることができます。色々と知ることで、もっといろんなこけしを見てみたくなってきました!

佐々木さんが実際に産地を訪れて聞いた、工人の方のインタビューも。

こけし図譜
見逃せないのは、実際に作者の佐々木さんが各系統の産地に訪れ、現地の工人の方にお話を聞いたインタビュー。佐々木さん目線のやさしい作業風景のイラストとともに綴られるお話には、修行時代やこけしへの思いなど様々なことが語られています。

その内容には、伝統的なものだからこそ、それを続けていくことの難しさや葛藤なども垣間見えるような気がしました。今私たちがこけしを楽しめるのは、作り手の方がいるからこそ。そんなことが実感できるインタビュー。ぜひみなさんにも読んでいただきたいです。

あたたかさが伝わる、素敵なイラストと手書き文字のデザインも楽しめる。

こけし図譜

ここまでご紹介したように、とても濃い情報が詰まっている本書ですが、やはり佐々木さんの素敵なこけしのイラストや、手書き文字があしらわれた、あたたかみのあるデザインが楽しめるのもポイント。こちらの、こけしをズラッと並べたページも圧巻です。ニヤニヤしている顔や、キリッとしている顔、いろんな表情があって見ているだけで楽しくなります。

本書の後半では、工人による実演や、絵付け体験ができるこけし情報が記載されています。これを読んで、どっぷりこけしに浸ってみるのもいいですね。気になる方はぜひチェックしてみてください!

こけし図譜: イラストレーションでわかる伝統こけしの文化・風土・意匠・工人

著者:佐々木一澄
仕様:A5版 160ページ
税抜価格:1,800円
発売元:誠文堂新光社
ISBN978-4-416-51946-2
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/art/36336/
佐々木一澄
Twitter @kazutosasakikaz

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