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週末読みたい本『FUTURO RETRO』

『Swimming Pool』で話題となった、 マーリア・シュヴァルボヴァーの2nd写真集。
こんにちは。haconiwa編集部 moです。
本日ご紹介するのは、気鋭の若手フォトグラファーであるマーリア・シュヴァルボヴァー の写真集『FUTURO RETRO』です。haconiwaでも以前ご紹介した、話題のデビュー作『Swimming Pool』から3年、待望の2作目の写真集として日本語版が青幻舎より刊行されました。
「FUTURO = 未来」「RETRO = 過去」という作品を象徴するような、12のシリーズを収録。
サイエンス・フィクションの要素を備えた、どこかノスタルジックな未来を思い起こさせる新作『FUTURO RETRO』。 2作目でありながら、現在のスタイルを確立した2014年から直近までの活動を網羅する1冊でもあります。
「FUTURO = 未来」「RETRO = 過去」という作品を象徴するような、2つのラテン語を用いたタイトルのもと、12のシリーズを収録しているという本書。どこか懐かしい、でも新しい、マーリア・シュヴァルボヴァーならではの空気感と独特な世界観が楽しめる1冊となっています。今日はほんの少しですが内容をお見せしますね。
本書ではじめに掲載されているシリーズ、「The Doctor」(2014)。マーリアがモデルの表情から感情を欠如させるというスタイルを初めて取り入れ、画面上の彼らの行動を観察する試みをした最初の作品の1つだそう。
1つ1つの作品も素敵ですが、複数がストーリーのように描かれているところや、このシリーズの撮影に使われたのがマーリア自身が産まれた病院で、さらに共産党政権時代の医療関係者のスタイルを忠実に再現しているなど、マーリアのバックグラウンドも感じられる興味深いシリーズではないでしょうか。
「FUTURO RETORO」のコンセプトを取り始めた当初、自分の身近な場所をロケーションとすることが多かったというマーリア。こちらの精肉店のシリーズ「The Butcher」は、彼女が育った村で撮影されているんだとか。
黄褐色、オリーブ色、バニラ色といった、マーリアらしい心地の良い視覚的な色のバランスがとても素晴らしく、見る人の気持ちを和ませるような作品の数々となっています。
どのシリーズも、それぞれのテーマやストーリーが伝わってくる、ノスタルジックな作品ばかり。そして随所から共産主義時代のその建築様式、公共施設、色彩を取り入れた、マーリアの美学を感じることができます。
また本書は、2014年から直近までの活動を網羅する1冊であることから、前作のテーマであった「Swimming Pool」シリーズも収録されています。写真集『Swimming Pool』をまだ見ていないという方も、本書で一挙に楽しむことが出来ますよ。
最後に掲載されているシリーズ「Lost in the Valley」(2019)は、マーリアが初めてアメリカで、さらに初めて自然の中で撮影したというプロジェクトです。これまでの作品は共産主義時代の空気が残る建築物でのものが多かったので、とても新鮮な感じがします…!
中でも私が印象的だったのは、砂漠で「Swimming Pool」のコスチュームを纏った作品。とても不思議で、同じ世界観なのに新しい、まさに「FUTURO = 未来」と「RETRO = 過去」が交差したような作品だなぁと感じました。
いかがでしたか?今回ご紹介したのは本書の12シリーズの作品の中のほんの一部です。作品をじっくり感じながら眺めるのはもちろん、インテリアとしてお部屋に飾っても素敵な1冊です。
気になる方は是非チェックしてみてくださいね〜!
《日本語版》FUTURO RETRO マーリア・シュヴァルボヴァー写真集
出版社: 青幻舎 (2020/4/1)
著:マーリア・シュヴァルボヴァー
定価:7,800円+税
ISBN978-4-86152-762-3 C0072
http://www.seigensha.com/books/978-4-86152-762-3
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