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週末読みたい本『再評価通信 REVIVAL Journal』

こんにちは、haconiwaキュレーターの森沢です。
今週は、アンティーク好き、DIY好きのみなさんにおすすめの1冊。古い住宅、ユーズド家具、オートキャンプ用品など…中古品の魅力を「再評価」するヒントが満載の『再評価通信 REVIVAL Journal』をご紹介いたします。
断捨離よりも、古いものの「再評価」を楽しく
今年は「片付け」や「断捨離」をやりました!という方が多いのではないでしょうか?
消費社会になり、新しいものが安く手に入る時代。ついつい使い捨てになり、「古いもの」や「中古品」と聞くとネガティブな印象を受けることもありますよね。
でも、古いもの中には、実はたくさんの優れたスペック、デザインが眠っているんです。
この本には、イントロダクションにもあるように、断捨離よりも「再評価こそ人生を楽しむ術である」というイラストレーター・文筆家アラタ・クールハンドさんが写真とイラストでボリューム満点に解説されています。
そんな「再評価」が楽しくなる本書の中身を少しだけ見てみましょう。
古い住宅はこうして生まれ変わる!リノベーション術を写真とイラストで解説
アラタ・クールハンドさんは古家ファンのバイブルといわれている「FLAT HOUSE LIFE」のシリーズの著者。米軍ハウスや古い平屋住宅の魅力を発信されています。
今回ご紹介するこちらの本の中でもアンティークの魅力や入手方法、古い材料を使うリノベーション術などを、イラストと写真でわかりやすくユニークに紹介されています。
まずは、「REVIVAL story」。
古い平屋や住宅、店舗などの再生アイデアが12の実例で掲載されています。
こちらは全国の文具ファンの聖地、武蔵小金井にある昭和の文具を多く置いている「中村文房具店」のリバイバル(=復活・再評価)の実例。創業からの歴史を語る写真と駅前再開発のために建て替えとなった前店舗の様子が紹介されています。
ページをめくると、イラストで建物の図解が。1階の店舗や地下と2階のプライベート空間を写真を使ってデザインや素材についても細かく解説されています。
このように写真とイラストが併用されているので情景が浮かびやすくわかりやすいですよね。暮らしの中で古いものや骨董品が生き生きと活かされているのがわかります。
それに加えて、アラタさんの写真のキャプションを読んでいると古いものに対する愛情とリスペクトがひしひし伝わってくるんです。
こちらは、古い集合住宅の上手な使い方、住まい方<O邸>の実例。
築年数50年の集合住宅を完全にセルフで改修し、スタイルにフィットした仕事場にして使用している様子を紹介。廃品物をうまく利用していたり、より心地よいものにしようとしているヒントが満載!
この2つ以外にも実例が詳細に解説されているので、自分のライフスタイルの中でうまく活用していくのもいいですね。
古家の再生と聞くと、難しいように感じてしまいますが、読み進めていくうちに、ひとつひとつ時間と愛情をかけて再利用する楽しさがわいてきます。
眺めるだけでこんなに楽しい!ビンテージの数々
ここまででも、なかなかのボリュームがあるコラムなのですが、中には「Patina in my LIFE 暮らしに古物(こぶつ)を!」という暮らしの中のビンテージを紹介する、ちょっとブレイクタイム!のようなコーナーもあるんです。
ビンテージランタン、ビンテージキーチェーン、レトロオーナメント、モダンテーブルウエアなどのアイテムを写真で徹底紹介。デザイン性や機能性も充実の古物は眺めているだけでも、うっとりしてしまうアイテムがたくさん!まるでビンテージの図鑑のようです。
デザインや素材で時代背景も読み取ることができて、とても興味深い!
こちらはオールドコットンテント。斬新なデザイン、おしゃれなインテリア、美しい色使い、タイプもさまざま。中古車が買えてしまうほど高価なものもあるそうですよ~。
よい出会いがあれば、こんなステキなテントでアウトドアを楽しむのもいいですよね。小物もアンティークで揃えて、ゆったり過ごすグランピング・・・想像するだけで夢のようです。
「Patina in my LIFE」のページでは、古いものは部品や材料のコストカットをすることなく、丁寧に作られていることが多いこともわかります。今それを新しく再現するとしたら更に高価なものになるかもしれませんね。
アラタさんが実際に購入したプロダクトを手書きのイラストで紹介!
ほかにも、筆者が購入したプロダクトの数々をすべて手書きで綴るコーナーもあります。もちろんユーズド品です。入手時のエピソードも書かれているので、ストーリー性があってこちらも楽しく読むことができます。入手の仕方など参考にしてみるのもいいかもしれませんね。
身近なものの価値に気づかせてくれる1冊。
この本の最後には、「日本街並再考」や過去のシティ情報誌に載った筆者のコラムなども掲載されています。一冊を通しておもちゃ箱をひっくり返したかように、中古品と暮らしのヒントがあふれていて、びっくりさせられました。最後にカバーをめくってみたら、イラストも描かれていましたよ。
中古品を買ったり、破損したものは直す。リサイクルする。自分の身の回りを見渡して、買うことを減らし、持っているものをまずは大切にしてみる。
この本を読んで、自宅で過ごす時間が過ごす今、「再評価」することも、これから重要になってくるのでは?と感じました。
この機会に本書を読んで、みなさんも断捨離よりも、古いものの良さを「再評価」をしてみませんか?
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