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週末読みたい本『まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門』

週末読みたい本『まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門』

こんにちは。haconiwa編集部のさんどです。
昨年から生活様式が変わり、遠くへ出かける代わりに近場でまち歩きをするなんてことも増えたのではないでしょうか。本日は、散歩のお供にぴったりの一冊『まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門』をご紹介します。

“かつての川や水路”をたどる、マニアックなまち歩きの手引書!

水路上観察入門

舞台となるのは、「暗渠(あんきょ)」と呼ばれる、以前は川や水路だった場所。
暗渠を愛するユニット「暗渠マニアックス」の吉村生さん、髙山英男さんが、かつての水面を「水路上」と定義し、「路上観察」ならぬ「“水路上”観察」と称した新しい視点からのまち歩きを提案する一冊です。

水路上観察入門

本書は二部構成となっています。第1部は“深掘型暗渠研究家”の吉村さんが古い地図や新聞記事などの資料を用いて水路上を解説してくれます。その肩書きの通り、一つ一つの暗渠について歴史的な背景からどんどん深掘りしていくので、みるみるうちに暗渠の世界にハマりそう。

水路上観察入門

かなりマニアックな内容ですが、読んでみると「へえ〜!」と驚くことばかり。たとえば、まちでよく見かける細長い公園は、高度成長期時代に子供の遊び場確保のため水路を埋め立ててできた場所なんだとか。そんなまちの歴史を知ると、実際に足を運んで確かめたくなってしまいます。

水路上観察入門

特に気になったのは「謎池コレクション」のページです。
まちを歩いていると突然現れる人工池。アヒルのおもちゃが浮かんでいたり金魚が泳いでいたりと見た目にも面白いものが多いのですが、これらも水路上と深いつながりがあるのだそう。詳しくは、中身を読んで確かめてみてください〜!

水路上観察入門

第2部は、自称“中級暗渠ハンター”の髙山さんが、かつての「水面」に着目してまちを観察する「“水”路上観察」という第1部とは一味違った視点から案内してくれます。

水路上観察入門

たとえば、名古屋の中井筋という水路の暗渠。路面に描かれた大きな弧の模様は、失われた水模様を再現したものなのだとか!水路だったという歴史を路上に残そうとした人々の想いが「水路上」として新しい風景を生み出しているというのがロマンチックです!

水路上観察入門

水面そのものだけでなく、水面から眺める景色も「“水”路上観察」の醍醐味。一見普通の階段も、水面から仰ぎ見るとまったく違う表情を見せてくれます。

水路上観察の魅力は、いつもと違った視点でまちを観察することで新たな発見が生まれるところにあるのかな、と感じました。

水路上観察入門

カバーの写真がすべてシルエットになった本体の表紙にも注目です!

「暗渠マニアックス」のお二人の暗渠愛が隅々まで詰まった一冊。文章からもその情熱が伝わってきて、つられてまちへ出たくなってしまいます。みなさんもいつもの散歩に新たな発見や刺激を加えるために、本書を片手に近所を歩いてみるのはいかがでしょうか。

まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門

発行元:KADOKAWA (2021/4/27)
著者:吉村生、髙山英男
ブックデザイン:飯田裕子
定価:本体2,500円+税
ISBN:978-4-04-111025-6 C0025
 

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