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週末読みたい本『ミュージアムグッズのチカラ』

週末読みたい本『ミュージアムグッズのチカラ』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
秋も深まり、休日は美術館や博物館へ出かけようかな~という方も多いのでは?今日は、ミュージアムショップのグッズをついつい集めてしまう方、グッズのデザインやブランディングが気になる方にぴったりの『ミュージアムグッズのチカラ』をご紹介します。

全国の魅力的なミュージアムグッズを4つのテーマで紹介!

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本書は、ミュージアムグッズ愛好家として自宅に1000点以上のコレクションがあるという著者・大澤夏美さんが、研究、実践の両面から、ミュージアムグッズを通じて博物館の魅力を伝える1冊です。

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全国各地から厳選した49施設のミュージアムグッズの魅力を「かわいいを楽しみたい」、「感動を持ち帰りたい」、「マニアックを堪能したい」、「もっと深く学びたい」の4つのテーマごとに分類し、写真と解説、インタビューなどを交えて紹介していきます。

本日はその中から、私が特に気になったアイテムを一緒に見ていきましょう!

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かわいいを楽しみたい 棟方志功記念館「スタンプ 普賢菩薩・文殊菩薩セット」

まず私が気になったのは、青森県にある棟方志功記念館「スタンプ 普賢菩薩・文殊菩薩セット」。海外でも数々の賞を受賞された版画家・棟方志功さんの代表的な作品がスタンプになっています。版画とスタンプはテイストが近いため、捺した時の擦れや独特な風合いも楽しめそう~。

左側のページで詳しいグッズの説明や、「How to use」としてオススメの使い方、ミュージアムショップがある施設の基本情報なども知ることができますよ。

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かわいいを楽しみたい 石川県ふれあい昆虫館の「うかる合格お守り」

こちらは受験の「受かる」と蝶の「羽化(うか)」をかけて作られた、昆虫館ならではの「うかる合格お守り」。なんと、実際に石川県ふれあい昆虫館で羽化した蝶の蛹(さなぎ)の殻が袋に入っているのだそう。袋の絵柄は飛び立とうとするオオゴマダラが描かれていて“未来に向かって飛び立つあの人へ”というコンセプトで作られています。思いが込められているミュージアムグッズは、旅のお土産にもぴったりですね!

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マニアックを堪能したい 福岡市博物館 「金印スタンプ」
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もっと深く学びたい 北海道大学総合博物館 「アンモナイト蜜蝋キャンドル」

このように、49の各施設にあるグッズをひとつひとつ紹介していく本書。読み進めていくうちに、ミュージアムグッズを通して実際の美術館や博物館に足を運んでみたくなるものばかりです。

ミュージアムグッズをさらに深く知るためのインタビューやコラムも充実。

ミュージアムグッズの紹介の合間には、グッズに魂が吹き込まれていく様子や誕生のプロセスがわかる、デザイナーや開発者、学芸員のインタビューや、著者によるコラムも掲載されています。

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かわいいを楽しみたい アーティゾン美術館「キーホルダー、ブックマーク、マスキングテープ」

こちらは2020年に東京に開館したアーティゾン美術館のグッズの紹介と、ディレクターである田畑さんのインタビュー。

アーティゾン美術館は、ブリヂストン美術館から新しく生まれ変わった美術館。ミュージアムショップも豊富な収蔵品をより楽しめるように、内容を一新!ここでしか買えないオリジナルグッズも数多く、ブランクーシの「接吻」のキーホルダーをはじめ、ブックマークやマスキングテープなど充実な品揃えが魅力です。

「お客さんが気持ちを込めて鑑賞した思い出や、作品とコミュニケーションを取った記憶を持ち帰るようなグッズにしたい」という思いから誕生したアイテムが多いのだとか。インタビューには他にも、お店で使われているショッピングバッグのデザインや今後の展開などについても書かれていましたよ。

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感動を持ち帰りたい 中津市歴史博物館 「石垣琥珀糖」

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さまざまなグッズのインタビューの中には、1つの商品開発プロセスを丁寧に紹介しているものも。
中津市歴史博物館の「石垣琥珀糖」のページでは、琥珀糖を何粒使うか、どのくらいの量が美しく見えるかなどの制作秘話も読むことができます。

じっくり読んでいくと、デザインやブランディングの面でも気になるストーリーが満載なので、パッケージデザインや制作のヒントがもらえるかもしれませんね。

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他にもミュージアムグッズの研究を始めて10年になる著者・大澤さんのコラムも掲載。実際にミュージアムショップを訪れた時、どんな部分に注目しているのかや、大量のミュージアムグッズをどのように保存しているのかなど参考になるアイデアが多数。「ミュージアムショップは博物館のエンドロール」と話す著者の視点も知ることができますよ~。

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思わず買いに行きたくなる、魅力的なミュージアムグッズがたっぷり掲載された『ミュージアムグッズのチカラ』。それぞれのグッズにミュージアムを支える方々の思いが込められているからこそ、惹かれることがわかります。

ぜひ週末は本書を片手に、気になる美術館・博物館に出かけてみてはいかがでしょうか。

ミュージアムグッズのチカラ

発行元:国書刊行会
著/文:大澤夏美
ブックデザイン:坂田亜沙美(シオリグラフィック)
撮影:ROCO、大澤夏美
仕様:A5判/144ページ
定価:本体1,800円+税
ISBN:978-4-336-07107-1

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