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週末読みたい本『東京の美しい図書館』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
本日は、2015年刊行の「日本の最も美しい図書館」に続く第2弾として発売された『東京の美しい図書館』をご紹介します。本が好きな人はもちろん、建築やインテリア好きな人にも楽しんでもらえそうな1冊です。
歴史ある名建築から新スポットまで!いつまでも居たくなる21の図書館を紹介。

本書は、日本を代表する建築家や若手の建築家、デザイナーが手がけた首都圏近郊の居心地のよい“図書館”を、美しく見ごたえのある写真と文章で楽しむ1冊。図書館というと静かでおちついたイメージですが、最近では本の貸出や閲覧だけではなく、人と交流するコミュニティの場としても使用されているそう。
そんな様々な図書館を3つのテーマに分類。個性的な21の図書館を、地域のランドマークとなるような「公共図書館」、それぞれの学校の特色を生かした「学校図書館」、図書館から別の施設へと新しく生まれ変わった「旧図書館」の3つに分けて、外観からディテールまで細かく紹介しています。
歴史のある名建築図書館から新しいスポットまで幅広く紹介されているので、建築好きな方には必見の内容になっていますよ~!
日本の図書館の始まりから現在までを振りかえる、巻頭コラム。
巻頭に書かれているコラム「日本の図書館 歴史ものがたり」では、著者でフリーライターの立野井一恵さんが近代図書館の始まりから、図書館の民主化、最近の図書館について歴史を振り返りながら詳しく解説。
実は、図書館が研究や勉強のために訪れる場所から、好きな本を自由に借りられるようになったのは1970年代。たった半世紀前だということに驚かされます。
日本に図書館が誕生してから、気軽に足を運べる場所になるまでの流れを振りかえりながら、図書館はどう変化し続けているのか、最近の多種多様なスタイルについても触れています。
それでは、本書に掲載されている21の図書館の中から、いくつかピックアップしてご紹介します。
●公共図書館
まず紹介するのは、日比谷公園内にある「千代田区立日比谷図書文化館」。第二次世界大戦の空襲で焼失し、1957年に再建された歴史のある図書館です。敷地の形にあわせて作られた珍しい三角形の建物は、当時の館長・土岐善麿氏の発案によるもの。
三角形のデザインは、バックヤードにある階段(非公開)にも使われています。このように普段立ち入ることができない場所も、本書には多く収録されています。
大きな窓からは公園の緑が眺められて居心地がよさそう~!
本を読む環境に配慮して、強い日差しを和らげるための障子窓も印象的。テーブルまでトライアングル型になっているのがおもしろいですよね~。
こちらは、2011年に建てられた、JR中央線武蔵境駅にある「武蔵野プレイス」。
吹き抜けや内窓を通して各エリアが見通せる「ルーム」と呼ばれる独創的な建物が特徴。館内がやさしい光に包まれていてステキですね!
1階にはカフェ、地下2階は青少年(19歳以下)のためのティーンズフロアがあります。他にもダンスや音楽の練習に使えるスタジオやセミナールームなどがあり、公共図書館ならではの幅広い層が訪れる「地域コミュニティの拠点」になっています。
●学校図書館
各地の図書館の中で歴史的な変化が特に著しいと感じるのは、学校図書館。図書館利用の目的が自習だけでなく、グループ学習などディカッションができるスペースや飲食可能なコーナーがある図書館も増えてきているのだそう。
約20万冊の蔵書のほかに、展示会などができるギャラリーや友人とのおしゃべりに使えるスペースも併設されている「多摩美術大学 八王子図書館」。
コンクリートのアーチが連続する斬新な構造と、低い書架が曲線を描くディテールの組合せがかっこいい~! “建築のノーベル賞”といわれるプリツカ―賞を受賞した、多摩美術大学の環境デザイン科の客員教授・伊東豊雄氏の設計で2007年に建てられた美術大学らしいアートな図書館です。
外観をみてみると、スパンの異なるアーチの窓がとても目を引きますね。インテリアは、手元に影ができないように工夫されて作られた間接照明や椅子、ベンチなど細部にまでこだわりのあるデザインばかり。館内を眺めているだけで、ついつい長居してしまいそうです。
●旧図書館
この本では、現行の図書館だけではなく、図書館としての役割を終えた「旧図書館」も収録されています。シンボルとなっている建物が取り壊されず、歴史を伝える施設に生まれ変わっているものも。
立教大学100年の歴史を伝える立教大学にある「メーザーライブラリー記念館」は、英国様式の旧図書館。ツタで覆われたレンガ造りの外観が美しく、学校本館やチャペルと並び、大学のシンボル的存在だったとか。こうして卒業された方にとっても思い出のつまった建物が、新しい役割で保存しつづけられるのは、うれしい事ですよね~。
たっぷりの写真と解説で、まるでそこに居るような気分になれる『東京の美しい図書館』。建築だけでなく、新旧さまざまな図書館のデザインを1冊で楽しめるのも本書ならでは。
今回ご紹介した施設はほんの一部ですが、まだまだ魅力的な図書館を多数掲載しています。ぜひ、自分好みの図書館を探してみてくださいね~!
発行元:エクスナレッジ
著者:立野井 一恵
写真:山本 康平
デザイン:芝 晶子
仕様:A5判/144ページ
定価:本体1,600円+税
ISBN:978-4-7678-2909-8
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