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下北沢にミニシアター『K2』が誕生。オンライン配信など、新しい取り組みも。

下北沢にミニシアター『K2』が誕生。オンライン配信など、新しい取り組みも。

こんにちは、haconiwa編集部の森です。

演劇やライブハウス、サブカルなど様々な文化が深く根付く東京・下北沢。小田急線「東北沢駅」~「世田谷代田駅」の地下化に伴い、全長約1.7kmの路跡地を開発して生まれた新 しい“街”である下北線路街に、ミニシアター『K2(ケーツー)』が1月20日(木)オープンしました。コロナ禍で生まれた映画館だからこそ、新しい映画館のかたちを目指すという「K2」を取材しました。

下北沢駅南西口直結の映画館

K2
「K2」は、下北沢駅の2Fに誕生した商業施設「シモキタエキウエ」 に直結するまちのラウンジ「(tefu) lounge(テフ ラウンジ)」の2Fにあります。下北沢駅前、こんな綺麗に整備されていたんですね・・・!

K2
「(tefu) lounge」は、仕事、勉強、読書、お茶、語らいなど、思い思いの形で使えるラウンジスペースを中心にした複合施設で、「K2」のほか、シェアオフィスやレンタルスペースなどがあります。

多種多様な文化が混ざり合う場所で「文化が好きな人たちの結節点」を目指す

K2

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「K2」は、1スクリーン71席のミニシアター。下北沢という文化のるつぼのような街を背景に「文化が好きな人たちの結節点」となるような映画館を目指しています。

こけら落とし上映作品は、第 71 回ベルリン国映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した濱口竜介監督「偶然と想像」。上映する映画は下北沢の多様な文化に触れられるよう、演劇やドキュメンタリー、音楽映画など様々なジャンルをセレクトしていくそうです。

多種多様な文化が混じり合う映画の多様な側面に光を当て、映画館として“学び”を発信・共有するようなチャレンジを行います。「K2」で上映する作品の多様な面白さや背景を深堀りする雑誌「MAKING」の発刊や、上映する作品の関連作品や同時にみることで新しい意味が生まれる様な作品をセレクションし、オンライン配信する取り組みが予定されています。映画そのものやその背景となる文化を学び、コミュニケーションすることで、映画体験の楽しさを増やし、広げる取り組みです。

K2を“共有地”とし、消費者ではなく当事者を増やす

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また、「K2」は映画館を“共有地”とすることで消費者ではなく当事者を増やし、地域に寄り添った文化アプローチのまちづくりの起点にしたいと考えているそうです。例えば、映画上映前に放映されるマナー映像には、下北沢のお店で働く方々が登場し、マナーのことや下北沢のお店を紹介してくれます。このマナー映像は毎週撮影し、更新していくのだそう。映画を観に来ることで、下北沢をより深く知ることができそうです。

K2を運営するクリエイティブファーム「Incline」を構成する1社である株式会社Motion Galleryの代表取締役大高さんに話を伺いました。

「下北沢駅の再開発は、下北沢に住んでいる人たちや商店街の人たちと対話をしてつくっていて、これまで根付いていた文化自体を壊さない街づくりのあり方に強く共感しました。K2は、駅直結なので気軽に来てもらいたいのですが、映画を観てそのまま帰るのではなく、せっかく来たのなら下北沢を楽しんでもらいたいなと思います。
映画という総合芸術を通して、多様な文化に街全体で触れ合ってもらい、また、みなさんにも何か関わってもらえるようなフレンドリーな場所になってもらえたらと思います。」

ミニシアターを持続させるためのオンライン配信の取り組み

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「K2」では、コロナ禍の中に新しく生まれる映画館だからこそチャレンジできるオンラインとのハイブリットによる新しい映画館の形も模索しています。

非常に興味深いのは、劇場同時配信の仕組みです。
映画館で実際に上映されている期間に限り有料でオンライン鑑賞できる、劇場同時配信の仕組み『Reel』と連動した取り組みを行っており、一部の映画はオンラインで鑑賞ができるそうです。こけら落とし上映作品の「偶然と想像」はこの取り組みを行なっています。『Reel』ではオンラインで鑑賞された売上の一部を、その作品を上映している各劇場に均等に配分されるという仕組みです。

大高さん「映画体験として、一番優れているのは映画館での体験であるという事は大前提です。ただ、コロナ禍が長く続いていく中でミニシアターを支える仕組みとして何かできないかと。2020年に全国のミニシアターを守るため、有志で立ち上げたプロジェクト『ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金』がありましたが、それはあくまでも緊急支援策であり、普通に映画を観る体験が支援に繋がる仕組みがサスティナブルだと思います。劇場同時配信で外に行かずに映画を観るという流れはこれからできてくると思いますが、それが劇場を閉館に追いやってしまうなら意味がない。だからこそ、オンライン配信で観ることが劇場を支える仕組みづくりを最初に作らないといけないと思いました。」

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大高さん

映画館で観る映画はやはり特別ですが、コロナ禍以外でも、小さいお子さんがいるなど映画館に足を運ぶことが難しい方にとっても、嬉しいですよね。

K2

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これまで根づいた文化が混ざり合い、また新たなカルチャーに出会えそうな下北沢。
ちなみに、「K2」の隣は落ち着いた雰囲気のカフェが併設されています。みなさん、気軽に訪れてみてください。

シモキターエキマエ-シネマ 『K2』
東京都世田谷区北沢2-21 tefu lounge 2F (シモキタエキウエ直結)
https://k2-cinema.com

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