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週末読みたい本『美しい純喫茶の写真集』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
今週は、全国に残る魅力的な“純喫茶”の写真をたっぷりと掲載した『美しい純喫茶の写真集』をご紹介します。昭和レトロな空気感はもちろん、インテリアや装飾、マッチのデザインなど…細部までじっくり堪能したくなる1冊です。
フルカラーの美しい写真で紹介!全国に現存する超貴重な“純喫茶”30軒。

京都府・鞍馬口にある「花の木」
本書は、昭和期までに創業された街を代表する“純喫茶”を集めた写真集。北は北海道から南は九州まで、日本全国に残る30軒の美しい純喫茶を、店内のインテリアや外観、窓、柱、照明、家具にいたるまで、喫茶店の魅力をたっぷりのビジュアルで紹介しています。

昭和期までに創業された純喫茶の中から、著者の品川亮さんが訪れたい場所をピックアップ。ただ魅力的な純喫茶を紹介するのではなく、 “美しい”という形容詞をキーワードとして本書を制作しました。5名の写真家さんに“美しさ”の判断をお任せすることで、純喫茶の美をどう写真で伝えるかを追求していったのだそう~。
オリジナリティーあふれるレトロな空気感がたまらない!
本書では、今デザインしようとしても絶対にできないようなオリジナリティーあふれる美しい純喫茶が次々と紹介されていきます。
こちらは、多種多様なコーヒーがいただける北海道の滝川の珈琲専門店「ルビアン」。
開店は1978年(昭和53年)。店主の髙橋佳幸さんのお父さんである高橋茂さんが内装・外装も手掛けられたのだそう。
店内は、いたるところに使われている弧を描くようなアールがとても印象的!
現代のデザインでは足していくよりも引いていくという考えが主流ですが、こちらは様々な要素が組み合わされながらも落ち着ける雰囲気が伝わってきます。こうして眺めていると、その場所に実際に訪れてみたくなります!
こちらは、茨城県の常陸多賀にある「佛欄西館」。店主である加藤忠克さんのお父さんが1982~1983年(昭和57~58年)に開いた珈琲館。当時はバーテンダーがいて蝶ネクタイにベストの制服があったそう。
明治時代の壁掛け時計や趣きのあるシャンデリア、天井の複雑な梁と真っ赤な壁は、“レトロ”なだけではない、バランスのとれた佇まい。絶妙なバランスゆえに、当時は同じ雰囲気のお店を作ろうと寸法を測っていく同業者もいたのだそう…。その気持ち、ちょっとわかりますよね~。
店内に差し込む光、ソファーや椅子、カウンターなど、どれをとってもステキ!リラックスしすぎて、ついつい長居してしまいそうです。
なつかしさを感じさせる“ポイント”にも注目!
この本の中でぜひ注目してほしいポイントのひとつに、空間の中にある昭和レトロを感じさせるアイテムがあります。写真の細かいところまで注意してよく見てみると、看板やマッチ、パーティション、シャンデリアなどが頻繁に登場してきます。


写真のアイテムや文章から、当時の文化を読み取ったり、現代の建築では再現できないような昭和のデザインをゆったりとした気分で見ていくのもおすすめですよ~。
家具デザイナーさんのコラムも見逃せない!
この本の冒頭には、家具デザイナー藤森泰司さんのコラム「家具デザイナーの見る純喫茶のおもしろさ」も掲載されています。あえて完成した本書ではなく、掲載写真のみを藤森さんを見せて自由にお話していただいたのだそう~。
家具デザイナーならではの観点で、椅子やパーティションなどポイントごとに深く掘り下げて解説されているのも必見です!
さまざまな純喫茶のデザインを1冊で楽しめる「美しい純喫茶の写真集」。昭和レトロ好きの方はもちろん、建築やインテリア、デザインが好きな方、デザインを仕事にされている方にも何かヒントがもらえそうな1冊です。
ぜひ週末は、この本を片手にお気に入りの純喫茶をみつけてみてはいかがでしょうか~。
発行元:PIE International
著者:品川 亮
写真:西郡 友典、沖本 明、平山 賢、古瀬 桂、鈴木 竜典
デザイン:木村 真喜子(lunch)
仕様:A5判正寸/192ページ
定価:本体1,900円+税
ISBN:978-4-7562-5462-7
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