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老舗旅館をリノベーション。ブックホテルやカフェなどの複合体「松本十帖」が長野・浅間温泉に誕生。

老舗旅館をリノベーション。ブックホテルやカフェなどの複合体「松本十帖」が長野・浅間温泉に誕生。

こんにちは、haconiwa編集部のシオリです。
長野県松本市にある浅間温泉に、「松本十帖」が2022年7月23日にグランドオープン。その名前を聞いてピンと来た方も多いと思いますが、「里山十帖」や「箱根本箱」を生み出した株式会社自遊人が手がけています。

創業336年の老舗旅館をリノベーション!

松本十帖 ロゴデザイン
(松本十帖 ロゴデザイン)

「松本十帖」は、創業336年、老舗旅館「小柳」のリノベーションからはじまりました。浅間温泉を代表する老舗であり、湯坂と山の手通りの交差点に建つ、浅間温泉のシンボルともいえる旅館だった「小柳」。しかし経営者が高齢で後継者も不在という状態のなか、浅間温泉の活性化の立役者として株式会社自遊人に白羽の矢がたったそう。

「松本十帖」のロゴデザインは、松本をイメージした松の家紋と、毛筆と上質感のある書体を組み合わせたデザインに。手がけたのは、artless Inc. 川上シュン氏。松本十帖の象徴となる松の家紋は、紋章上繪師の波戸場承龍氏と artless が共作で制作し、全て円で構成された伝統的な手法で描いたものだそうです。

街歩きを楽しんでもらえるよう、「道(通り)」と施設の関係性をデザイン。

松本本箱 外観
(松本本箱 外観)

松本十帖は、2つのホテル、2つのレストラン、カフェ、本屋、ショップ&ベーカリー、醸造所の複合体。浅間温泉のエリアリノベーションを目指しており、ホテルの外にレセプションやカフェを作ることで、街歩きを楽しんでもらえるようデザインされています。

小柳之湯
(小柳之湯)

元々あった東棟-中央棟-西棟の3つの建物を見直し、中央棟があった場所には江戸時代に存在していたと思われる「小柳之湯」を復活。東西に分けられた棟は、全くことなるコンセプトの2つのホテルに生まれ変わりました。その両方が存在することで、幅広い客層に利用してもらいたいという旧小柳の想いを引き継いでいるそう。

松本本箱 客室
(松本本箱 客室)
松本本箱 露天風呂
(松本本箱 露天風呂)
松本本箱 ブックストア
(松本本箱 ブックストア)

2つのうち一つは、ブックホテル「松本本箱」に。書店やレストランを併設し、インナーバルコニーを作った全室露天風呂付き24室のホテルです。本棚を主体とした空間となっているパブリックスペースは、本棚の中に自分が入り込んでしまったような、不思議な感覚に。計画の中で旅館の記憶として残したという昭和旅館の赤絨毯の印象が、目に飛び込んできます。

小柳 客室
(小柳 客室)
小柳 客室
(小柳 客室)

もう一方のホテルは、1686 年創業の「小柳」の歴史を繋ぐ宿泊施設としてデザインされました。「全ての人々に優しい宿を」をコンセプトに、バリアフリー対応、ファミリーにも適した内装を念頭に、鉄骨造のスケルトンに戻した上で、丁寧に素材を選定して仕上げられたそう。テーブルやカウンターなどの木材は基本的に全て無垢材。壁は珪藻土を採用したほか、基本的に自然素材が使われています。

また、「体感するリアルメディア」として、国内外の名作椅子が配置されています。その座り心地を体感してみてはいかがでしょうか。

哲学と甘いもの
(哲学と甘いもの)
おやきと、コーヒー
(おやきと、コーヒー)

さらに温泉街を回遊してもらうため、敷地外の空き家、空きスペースをカフェ&レセプションに。カフェ「哲学と甘いもの」は、長く使われていなかった長屋を利用したもの。カフェ兼ホテルのレセプション「おやきと、コーヒー」は、地域の共同浴場である「睦の湯」の使われていなかったスペースを整備された場所です。

浅間温泉商店
(浅間温泉商店)
信州発酵研究所のシードル
(信州発酵研究所のシードル)

その他にも、「ホテル内のお土産屋ではなく、松本で一際目だった生活雑貨店として位置付けたい」とつくられたショップ「浅間温泉商店」や、土壁の蔵をシードルの醸造所=製造工場として利用している「信州発酵研究所」もあるので、こちらに宿泊するだけでいろいろと楽しむことができそうです。

ALPS TABLE
(ALPS TABLE)

ちなみに、温泉ホテル「小柳」1階につくられたファミリーダイニング「ALPS TABLE」は、絵本やインタラクティブな遊びスペースがあり、子どもから大人までが楽しく食事ができるレストラン。子供連れも楽しめるのは、嬉しいですね。

様々なクリエイターが参加することで、多種多様な顔を持つ街のように。

株式会社自遊人のクリエイティブチームが主導となりつつ、一方で地域や施設の個性を引き出してくれるであろう現在の日本を代表するクリエイターに声をかけ、参加してもらったのも特徴だという本プロジェクト。そうすることで、多種多様な顔を持つ、街そのもののようなプロジェクトとなったんだとか。


[MEMBERS]
・株式会社自遊人 クリエイティブチーム/クリエイティブディレクター 岩佐 十良… プロジェクトマネジメント、各施設のクリエイティブディレクション、一部施設の設計、グッズ・浴衣・アメニティーディレクションとデザイン、全施設の家具の選定等
・SUPPOSE DESIGN OFFICE 谷尻 誠 吉田 愛…松本本箱の設計
・スキーマ建築計画 長坂 常…浅間温泉商店・小柳之湯・哲学と甘いもの設計、外構デザイン監修
・ノングリッド/デザインムジカ…アルプステーブル企画・開発・設計
・artless Inc.…松本十帖の館内サイン、ロゴデザイン(レストラン三六七)
・株式会社 不破稔事務所…松本本箱・哲学と甘いもののロゴデザイン他
・WELCOME GROUP(TODAY’S SPECIAL)…浅間温泉商店 ディレクション
・BACH 幅 允孝…松本本箱「げんせん本箱」の選書
・株式会社ひらく…松本本箱の選書


これだけのクリエイターの方々が関わっているとは、確かに、一つの街が生まれたようなものかもしれませんね。

そんな、浅間温泉の街全体を盛り上げる役割も持っている「松本十帖」。昨年は町内に移住したご夫婦がベーカリーをオープンし、今年は「手紙社」が運営するショップ&カフェがオープン予定。温泉街が、少しずつ、変わりはじめているそう。今後、何度も訪れることで、街自体の変化も楽しめるのかもしれません。

グランドオープンを記念し、7月23日・24日は、通常は宿泊者しか利用できないキッズスペースの一般開放や、ハードサイダーの試飲会、ALPS BAKERYのパンの試食など、地域内外の皆様に松本十帖を体験していただくイベントを予定しているそうなので、お近くの方はぜひ遊びにいってみてはいかがでしょうか?

GRAND OPENING SPECIAL EVENTS
日時:7月23日(土)・24日(日)12:00 – 17:00
・まちびらき福引き大会
・浅間温泉スタンプラリー
・自家製ハードサイダー試飲会
・ALPS TABLE 内覧会&キッズスペース開放
・ALPS BAKERY パンまつり ほか
※当日はご予約無しでブックストア松本本箱を利用可能(12:00 – 17:00)。

松本十帖 (松本本箱、小柳、ダイニング、カフェ、ショップ等の総称)
所在地:長野県松本市浅間温泉 3-13-1 ほか
建築主・経営:株式会社小柳(株式会社自遊人の100%子会社)
プレオープン:2020年7月以降随時
グランドオープン:2022年7月23日
ホテル客室数:松本本箱24室、小柳14室
料金:松本本箱26,752円~、小柳23,888円~(2名利用時の1名あたり1泊2食料金)
電話番号:0570-001-810(12:00~17:00)
HP:https://matsumotojujo.com/

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