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知りたかった修復テクニックが満載!鑑賞するだけでも楽しめる『金継ぎの技法書』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
毎週金曜日にお届けしている「週末読みたい本」のコーナー。本日ご紹介するのは『金継ぎの技法書』です。
金継ぎのさまざまな技法から、応用的な装飾のアイデアまでを丁寧に紹介。
みなさんの中には「いつか金継ぎ(きんつぎ)に挑戦してみたいなぁ」と思っている方も多いのではないでしょうか。「金継ぎ」とは、陶磁器の割れや欠け、ヒビなどの破損部分を漆(うるし)によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる日本独自の修復方法。「隠す」のではなく、金銀粉で際立たせそれを器の美しさとして楽しむ感性は、日本人特有の美学とも言われています。
本書は、金継ぎの技法の基礎を、写真と説明で丁寧に解説していくのはもちろん、器の素材や釉薬、破損の状況に応じた修復のさまざまな技術と、装飾のアイデアを紹介。基礎から色漆の活用、見立て、仕上げのテクニックまでが網羅されています。
こちらは、「金継ぎの基本」を紹介する第1章。「割れ」「欠け・ほつれ」「ひび・にゅう」など、金継ぎで扱う主な種類の破損について、金継ぎの基本的な手順をひとつひとつ紹介しています。
このように手順の横には、作業するときのポイントまで詳しく書かれているので、とてもわかりやすい構成になっています。漆や木工、修復などのお仕事に携わるプロの方への参考書としてはもちろん、基礎もしっかり解説されているので金継ぎ入門者にもおすすめしたい1冊です。
ページをめくっていくと、壊れやすいカップの持ち手や急須のふたにはダボ(芯)を入れたり、より大きな欠損には麻布を使うなどの技法に加え、色漆や金属粉の応用的な活用の仕方なども網羅されています。
ヒビを線香花火にみたてたり、三角の欠損を蓮の花にみたてたり……。次々と紹介される装飾のアイデアに「ステキ~」「きれい」「なるほど!」と思わずうっとりしてしまいます。ただ本書を眺めているだけでも、美術館やギャラリーで作品を鑑賞しているような気持になってきますよ~。
色漆や金属粉の活用など器の素材や破損状況に応じた修復テクニックが満載の「金継ぎの技法書」。今後のデザインのアイデアや豊富なインスピレーションがもらえそうです。金継ぎを始めたい方には特におすすめなので、ぜひ手に取ってみてくださいね~!
発行元:誠文堂新光社
著:工藤かおる
写真:宮濱由美子
デザイン:三上祥子(Vaa)
仕様:B5変形/208ページ
定価:本体2,700円+税
ISBN:978-4-416-62108-0
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